ファナックが10月25日に発表した2025年3月期第2四半期連結累計期間(4〜9月)連結業績によると、売上高は3,879億62百万円(前年同期比2.7%減)、経常利益947億80百万円(同10.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は699億22百万円(同9.4%増)となった。
4〜9月におけるファナックグループを取り巻く状況は、景気が緩やかに回復して設備投資にも持ち直しの動きがみられる一方で、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や中国経済の先行き懸念など、不透明な状況が続いた。
また、2022年度下期から続く在庫調整について、適正な在庫状況に戻りつつある。一部でなお継続している。このような厳しい状況が続く中、ファナックでは業績への影響を最小限にとどめるべく、セールス、研究開発、工場、サービス、事務、全ての部門の総力を挙げて拡販や経費削減等に取り組んだ。
■部門別の概況
<FA部門>
部門については、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内を含む世界各国で低調に推移したものの、インドや補助金制度等が追い風となった中国で好調に推移し、CNCシステムの売上は増加した。
この結果、FA部門の売上高は994億16百万円(前年同期比7.2%増)となった。
<ロボット部門>
ロボット部門については、欧米では、一般産業向け、自動車関連向けは共に前期からの受注残により堅調で、売上は前年同期比並み。国内では、自動車関連向けが堅調に推移し売上が増加した。一方、中国では、好調だったEV関連向けが下降気味であり、インフラ関係と電子産業向けも低調で売上が減少した。
この結果、ロボ ット部門の売上高は1,631億16百万円(前年同期比15.2%減)となった。
<ロボマシン部門>
ロボマシン部門については、ロボドリル(小型切削加工機)では、国内および海外市場ともに低調に推移したものの、前年同期と比べると売上は小幅に増加した。ロボショット(電動射出成形機)では、中国での需要増があり、 売上が増加した。ロボカット(ワイヤ放電加工機)では、EMC指令に基づく整合規格不準拠の試験実施の疑義により欧州向け仕様の出荷を停止したことの影響等もあり、売上が減少した。
この結果、ロボマシン部門の売上 高は569億28百万円(前年同期比12.8%増)となった。
<サービス部門>
サービス部門については、「サービス ファースト」をキーワードに、サービス体制の強化、IT技術の積極的な導入 による効率アップ等を進めている。サービス部門の売上高は685億2百万円(前年同期比8.7%増)となった。
■連結業績予想に関する説明
前回発表時点の計画よりも業績が堅調に推移しているため、2025年3月期通期の業績予想を以下のとおりとした。
売上高7,878億円(前期比 0.9%減)、営業利益1,508億円(同6. 3%増)、経常利益1,849億円(同1.7%増、親会社株主に帰属する当期純利益1,343億円(同0.9%増)。
2024年10月から25年3月までの為替レートは、平均135円/ドル、150円/ユーロを想定している。
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