三菱重工サーマルシステムズ、UAE・ドバイのEMPOWERから大型ターボ冷凍機を受注

・2021年に続く大型受注、ターボ冷凍機の運転性能およびアフターサービス対応実績への高評価により
・ドバイの住居、商業施設、医療施設、教育施設および複合施設への冷水供給を担う

 三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズ(東京都千代田区)は10月17日、アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイの地域冷房(地冷)プラント向けに、世界最大の地冷サービス事業者(注1)である同国エミレーツセントラルクーリングシステムズコーポレーション(Emirates Central Cooling Systems Corporation PJSC:EMPOWER、以下、エンパワー社)から、大型ターボ冷凍機を受注したと発表した。三菱重工サーマルシステムズは、18台の冷凍機を2025年初頭から順次納入開始し、今回のプラントに納入されるターボ冷凍機の総冷房能力は5万6,250冷凍トン(注2)。

 ターボ冷凍機は、エンパワー社が運営する3つの地冷プラント向けに納入され、ドバイの住居、商業施設、医療施設、教育施設および複合施設への冷房用の冷水供給を担う。また、今回の契約には、同社の追加購入オプション(注3)が含まれ、実現した場合、総冷房能力は最大10万冷凍トンに達することが見込まれている。

 エンパワー社からは、2021年にも大型ターボ冷凍機を受注している。今回の受注は、三菱重工サーマルシステムズのターボ冷凍機の冷凍効率および環境性能の良さとともに、前回納入した冷凍機の運転性能およびアフターサービス対応の実績が高く評価されたもの。2025年初頭から順次納入を開始し、これまでエンパワー社向けに納入したターボ冷凍機と併せて計46台になる。ドバイは、長期戦略の一環として地冷の有効活用を掲げており、2030年までに電力・水・交通燃料の消費を少なくとも30%削減し、2050年までに50%削減することを目指している。

 三菱重工サーマルシステムズとエンパワー社は、10月8日にドバイで契約調印式を開催。エンパワー社からはCEOのH.E. アフマド・ビン・シャファル(H.E. Ahmad Bin Shafar)氏が、三菱重工サーマルシステムズからは伊藤喜啓社長が臨んだ。

 伊藤社長は次のように述べている。「エンパワー社が納入機の性能とアフターサービスの実績を高く評価し、前回に続き当社のターボ冷凍機を採用いただいたことを嬉しく思います。当社は引き続き、お客様の地冷プラントの運用・冷水供給効率を高めるために、冷凍機の性能を高めていきます。今後もエンパワー社とのパートナーシップを強化し、UAEの脱炭素化に貢献するべく、同社の地冷事業に貢献できるよう取り組んでいきます」。

 シャファル氏は「今回の契約が両者にとって地冷分野を進展させ、エネルギー効率の高いソリューションを通じて未来に向けた脱炭素化の取り組みを加速させる重要な機会になる」と強調した上で、「地冷のソリューションが環境への影響を軽減し、より持続可能な未来への道を開いていく」と述べている。また、同氏は「エンパワーは環境・社会的目標を立て、次世代のために資源を守ることにコミットしており、今回の契約が、革新的な技術を導入し自社の地冷プラントを刷新することで、より効率的でエネルギー効率の高い冷水供給を進めていくというエンパワーの目標に沿っている」とも述べている。

 エンパワー社は、世界最大の地冷サービス事業者として、ドバイの地冷容量の約80%以上を担っており、87ヵ所の地冷プラントから冷房用の冷水を供給している。

 三菱重工サーマルシステムズは、三菱重工グループの一員として今後も、エネルギー効率の高いターボ冷凍機の供給を通じて顧客ニーズに応えていくとともにカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。

注1 :冷水供給容量での比較
注 2 : 1冷凍トン=約3.516 kW
注 3 :オプション期限は2024年12月31日まで

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