積水化学工業、約20億円投じて多賀工場(滋賀県)で導電性微粒子の生産能力を増強

 積水化学工業(大阪市北区、東京都港区)の高機能プラスチックスカンパニーは10月10日、多賀工場(滋賀県犬上郡多賀町)において、ディスプレイや機構部品の回路接続に使用されている導電性微粒子「ミクロパール AU®」の生産能力を増強することを決定し、2028年度上期より稼働開始を計画していると発表した。

■投資の背景
 導電性微粒子「ミクロパール AU®」は、均一粒子径の樹脂粒子に金属被覆した製品で、電子部品と基板間の導通やギャップ形成を目的とし、主に液晶や有機EL ディスプレイ (OLED)のガラス基板上の電極とICチップの電極などを電気的に接続する異方導電フィルム (ACF※)に使用されている。また、積水化学独自の生産技術による高品質の製品を実現し、μ LEDなどの次世代ディスプレイや車載分野へ展開している。
今後も、これらの高付加価値用途は継続的な需要拡大が見込まれることから、生産能力増強と品質管理レベルの強化を図る。

■今後の展開について
 導電性微粒子ミクロパール AU®は、さらに品質レベル向上に取り組み、ディスプレイ分野、車載分野以外に半導 体分野など、さまざまな分野に拡大を図っていく。今後も、高機能で高付加価値な製品の開発・提供を通じて、より快適で便利なくらしとサステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいく。

※ACF Anisotropic Conducting Filmの略語

<投資の概要>
投資額:総額約20億円
投資先:多賀工場
稼働時期:2028年度 上期 (4月~9月)

<多賀工場の概要>
設 立:1988年4月2日
所 在 地:滋賀県犬上郡多賀町大字四手字諏訪510-5
生産品目:導電性微粒子ミクロパール AU®、工業用両面テープ、低アウトガス離型フィルム

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