㈱安川電機が10月4日に発表した2025年2月期第2四半期(2024年3~8月)連結業績によると、売上収益は前年同期比9.5%減の2,615億73百万円、営業利益は同30.7%減の229億26百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同26.3%減の178億51百万円となった。
第2四半期累計期間における安川電機グループの経営環境は、自動車市場において地域ごとの強弱はあるものの底堅い需要が見られた。その一方で、半導体・電子部品向けの需要については回復基調ながら想定より緩やかなものとなった。製造業全般における設備投資の需要は総じて底堅く推移したが、中国の需要は想定よりも低調となった。
このような環境において安川電機グループの業績は、高水準な受注残に支えられた前年同期に比べ、モーションコントロールを中心に減収となった。利益面については、間接費の抑制に努めたものの売上減少に伴う利益減の影響を大きく受けたことにより減益となった。
■地域別の経営環境
日 本:一般産業や自動車市場の需要は底堅く推移したが、半導体市場の需要は緩やかな伸びとなった。
米 州:半導体関連需要が順調に回復し、自動車市場や一般産業分野においても底堅い設備投資の動きが見られた。
欧 州:自動車市場においてロボットの設備投資が堅調に推移した一方、製造業全般における需要低迷と在庫調整の影響を大きく受けた。
中 国:太陽光発電用パネル関連の投資の一巡に加え、内需の鈍化により全体的な設備投資需要は低迷した。
中国除くアジア:韓国・台湾では半導体関連需要の回復が継続した。また、アセアン各国 やインドでは、インフラ関連の設備需要が堅調に推移した。
■セグメント別の状況
<モーションコントロール>
売上収益1,194億38百万円(前年同期比△15.1% )/営業損益110億10百万円(前年同期比△45.5%)
モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成 。
売上収益は、高水準な受注残に支えられた前年同期に対し減収となった。利益面については、経 費の抑制や付加価値の改善は進んだものの、売上減少に伴う利益減の影響を大きく受け減益となった。
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 中国・欧州市場の低迷や、日本における半導体関連需要の回復遅延などの影響を受け、売上収益は減少した。
〔インバータ事業〕 データセンタ関連の需要やアセアン各国・インドにおけるインフラ関連需要は底堅く推移したが、在庫調整等の影響を受け販売が伸び悩み、売上収益は減少した。
<ロボット>
売上収益1,120億82百万円(前年同期比△0. 2% )/営業損益105億96百万円(前年同期比△18.5% )
自動車市場においては日本や欧米、インドなどで需要が増加したが、中国では投資を控える動き が見られた。一方、一般産業分野では米国や中国などで自動化需要が底堅く推移した。
これらの結果、売上収益は前年同期比で若干の減少となった。利益面については、システム対応力強化に向けた先行投資や売上減少に伴う利益減の影響などにより減益となった。
<システムエンジニアリング>
売上収益186億1百万円(前年同期比△19. 3% )/営業損益18億69百万円(前年同期比+34.4% )
港湾クレーン関連の販売が堅調に推移したが、前年度下期の大型風力発電関連の子会社売却影響 により、売上収益は前年同期比で減少した。利益面については、主力の鉄鋼・クレーン関連の売上増加に加え、事業構造改革の効果により大幅な 増益となった。
<その他>
売上収益114億52百万円(前年同期比△10.6% )/営業損益8億31百万円(前年同期比8億22百万円増加)
その他セグメントは、物流サービス事業などで構成。売上収益は減少したが、営業利益はその他の収益の増加などにより前年同期比で増加した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2025年2月期通期の連結業績予想については、半導体・電子部品市場の立ち上がりが想定以上に緩やかであることに加え、中国市場全般の回復が想定より弱いことから、売上収益と営業利益は前回予想より減少する見込み。また、関連会社投資に係る売却及び評価損益(約240億円)の計上もあることから、2024年4月5日に公表した2025年2月期通期連結業績予想を下記に修正した。
通期連結業績予想は、売上収益5,530億円(前期比 3.9%減)、営業利益640億円( 3.4%減)、税引前利益898億円(30.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益640億円(26. 3%増)。
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