日立、ロボティクス SI 事業を展開するドイツの MA micro automation 社の買収を完了

・JR オートメーションが同社の運営を担い、メディカル・バッテリー分野などのグローバルオートメーション市場で事業拡大

㈱日立製作所(以下、日立)は10月1日、ロボット活用ラインビルティング事業(ロボティクス SI 事業)を手掛けるドイツ連邦共和国の MA micro automation GmbH(本社:ドイツ ザンクト・レオン=ロート/以下、MA micro automation 社)の買収を完了したと発表した。MA micro automation 社は、JR Automation
Technologies, LLC
(以下、JR オートメーション)が運営を担い、欧州、北米、東南アジアを含むグローバルのロボティクス SI 事業拡大を図る。日立と、売主である MAX Management GmbH(本社:ドイツ ハンブルク、MAX Automation SE の子会社)は、2024 年 4 月に株式譲渡契約を締結*1 しており、この契約に基づき 2024 年 9 月 30 日に買収手続きを完了した。JR オートメーションと MA micro automation 社は、ともに強力で認知度の高いブランドを持つことから、それぞれ現在の社名で事業を継続する。

 「MA micro automation 社のケイパビリティは、JR オートメーションのメディカル分野における成長戦略を完全に補完するものです。我々は MA micro automation 社のソリューションと研究開発能力のみならず、強い企業文化と共有する価値観にも感銘を受けました。」と JR オートメーションの CEO Dave DeGraaf(デイブ・デグラフ)は述べている。

 MA micro automation 社の買収により、メディカル分野における多様な装置や自動化ソリューションの提供を通して、世界中のお客さまにさらなる価値を提供します。さらには、MA micro automation 社を通じ、JR オートメーションは欧州市場での事業拡大、また、MA micro automation 社は JR オートメーションを通じ、北米および APAC 市場での事業拡大を進める。

 「このコラボレーションにより、MA micro automation 社が強固な地位を築いているメディカル分野を中心とした世界中のお客さまに、さらなる価値を提供します。」と MA micro automation 社の CEO Joachim Hardt(ヨアヒム・ハート)は述べている。

 また、現場の膨大なデータが集まるロボティクス SI 領域は、現場と経営をつなぎ全体最適化を実現するうえで核となる。日立は、買収により、ロボティクス SI 事業をグローバルに拡大・強化し、現場・経営間の課題を解決し、新たな価値を創出する「トータルシームレスソリューション*2」の提供を加速していく。

 日立製作所 執行役常務 インダストリアルデジタルビジネスユニット CEO 森田和信氏は、「新しい仲間を迎えることで、我々はロボティクス SI 事業のグローバルリーダーをめざします。そして、日立グループは Lumada*3の顧客協創フレームワークを通じ、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを併せ持つ強みを生かして、フロントラインワーカーの生産性を向上させ、お客さまの企業価値の最大化に貢献します。」と述べている。

*1 2024 年 4 月 27 日発表の日立ニュースリリース「日立、メディカル分野をはじめとしたロボティクス SI 事業のグローバル展開加速に向けて、ドイツの MA micro automation 社を買収」 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2024/04/0427.html
*2 「トータルシームレスソリューション」は株式会社日立製作所の日本と米国における登録商標。
*3 Lumada:顧客のデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称 https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/

 

■MA micro automation について
 2003 年に設立された MA micro automation は、ドイツのザンクト・レオン=ロートに本社を置き、シンガポールとアメリカに拠点がある。同社は約 200 人の従業員を擁し、メディカル分野向けの自動化装置や特殊機械に特化している。具体的には、コンタクトレンズ、診断用消耗品、インスリンペン、自動注射器など、さまざまな医療機器の製造およびテストシステムがある。詳細は https://www.micro-
automation.de/en/を参照。

■JR オートメーションについて
 1980 年に設立された JR オートメーションは、顧客の運営・生産性の課題を解決するために、先進的な製造・流通分野向けオートメーション・テクノロジー・ソリューションの設計、構築、統合を提供するグローバルリーダーで、自動車、ライフサイエンス、航空などの幅広い産業分野のお客さまに対応している。
2019 年、日立製作所により買収され、傘下に入った。これは、世界中の産業・流通分野の顧客に対して、フィジカル空間とサイバー空間のシームレスな連携を提供する戦略的な取り組み。このパートナーシップにより、JR オートメーションは、顧客に対して、フィジカルアセットとデータ情報を統合する独自のソリューションを提供し、Industry 4.0 のビジョンの達成に向けてスピード、柔軟性、効率性を提供している。JRオートメーションは、北米、欧州、アジアの 20 以上の拠点で、2,000 人以上の従業員を有している。詳し
くは、https://www.jrautomation.com/を参照。

■日立製作所について
 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進している。
 顧客の DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という 3 セクターの事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じて顧客や社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、顧客との協創で成長をめざす。3 セクターの 2023 年度(2024 年 3 月期)売上収益は 8兆 5,643 億円、2024 年 3 月末時点で連結子会社は 573 社、全世界で約 27 万人の従業員を擁している。詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)を参照。

 ニュースリリース
 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。