日立建機、新型リジッドダンプトラックEH4000AC-5を開発、MINExpoに初出展

・業界最大級の積載量242tを実現、2025年の販売開始めざす

 日立建機は9月19日、リジッドダンプトラックEH4000AC-3をフルモデルチェンジし、EH4000AC-5(公称積載質量242t、車両総質量427t)を開発したと発表した。油圧ショベルの製造で培った製缶技術を活用することで、耐久性を高めつつ、業界最大級*1の積載量242tを実現している。鉱山現場でのフィールドテストを経て、2025年の販売開始をめざす。日立建機はEH4000AC-5を9月24日~26日に米国ラスベガスで開催される世界最大級の鉱業分野の展示会MINExpoにて初めて展示する予定。

*1 2024年9月19日現在、リジッドダンプトラック車両総質量400tクラスが対象。日立建機調べ。

 EH4000AC-5は、現行モデルEH AC-3シリーズで培ってきた日立ACドライブシステムを進化させ、ブレーキやサスペンションなどの足回りを強化することで、業界最大級242tの積載量においても、滑らかで安定した走行と優れた減速性能を実現した。またオペレータが意のままに操り性能を引き出せるように、快適なオペレータ空間と操作環境を提供している。鉱山に設置された架線から電力を受電するトロリー受電式やバッテリーを搭載したフル電動式への仕様変更は、現行モデルEH-AC3シリーズと同様にEH4000AC-5においても対応可能。

■主な特長

1.業界最大級242tの積載量
日立建機が油圧ショベルの製造で培ってきた製缶の技術を活用して車体の耐久性を高めつつ、業界最大級の242tの積載量を実現した。従来機より積載量を21t増加*2させており、顧客の鉱山運営の生産性向上に貢献する。

*2 従来機EH4000AC-3との比較。

2.優れた走行性能と減速性能
 最高速度は業界トップクラス*3の時速65kmを実現した。同時にトラクション性能の向上により、顧客に高い生産性をもたらす。さらに現場の環境に応じてHigh Power Mode、Power Mode、Eco Modeの3つの走行モードを選択できる新機能を搭載した。燃料消費量を抑制したいときはEco Mode、最大の走行性能を発揮させたいときはHigh Power Modeを選択することができるようになり、効率的な運行を実現できる。減速性能については、油圧ブレーキの前輪乾式ブレーキから湿式ブレーキへの変更と補助ブレーキであるリターダーの性能強化によりブレーキ性能を強化した。これにより鉱山の厳しい環境でも安定した制動力を発揮する。
*3 2024年9月19日現在、リジッドダンプトラック車両総質量400tクラスが対象。日立建機調べ。

3.操作性と快適性の向上
 スイッチ類やモニターのデザインを刷新し操作性や運転室の快適性を向上させた。モニターには周囲の安全や積載状況などの情報を表示し、顧客の安全で効率の良い操業をサポートする。

4.鉱山機械の状態を遠隔監視する 「ConSite Mine」
 鉱山機械の状態を遠隔監視する「ConSite Mine(コンサイト マイン)」に対応している。電子メールとスマートフォンのアプリで機械の稼働状況を知らせする「定期レポート」と、各種センサーが機械の異常を検知した際に知らせる「アラームレポート」の2種類のレポートを発行する。ダンプトラックの異常を検知し、状態に合わせてメンテナンス、点検、部品交換を行うことでダウンタイムを抑制する。  日立建機は、鉱山機械が使われる採掘工程だけでなく、グループ会社のリソースを活用して選鉱工程まで事業領域を拡大しており、鉱山現場において多様なタッチポイントを有している点が強み。今後も多様なタッチポイントにおいて、鉱山現場に革新的なソリューションを提供していく。

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