三菱電機、ドイツ向けに自然冷媒R290を使用した鉄道車両用空調装置を受注、日系企業初

・自然由来の冷媒使用により、脱炭素社会の実現に貢献

 三菱電機は9月19日、イタリアの子会社 Mitsubishi Electric Klimat Tranportation Systems S.p.A. (三菱電機クリマット・交通システム株式会社、以下、 MEKT)が、ドイツの Siemens Mobility GmbH(以下、Siemens Mobility)からドイツ・ミュンヘンの近郊車両 S-Bahn 新型車両向けに自然冷媒 R290(プロパン)を使用した鉄道車両用空調装置(以下、鉄道車両用 R290 空調装置)1,350 台を受注したと発表した。鉄道車両向けに R290 を使用した空調装置を受注するのは、日系企業として初めて。

■受注の背景
 S-Bahn 車両の発注元である公共企業体の Bayerische Eisenbahngesellschaft mbH(以下、BEG)と Deutsche Bahn AG(ドイツ鉄道)の子会社 DB Regio AG(以下、DB Regio)は、今後予想されている乗客数の増加に対応するため、ドイツ国内で最新型となる車両をミュンヘン近郊に導入を計画している。計画を進める中で、BEG、DB Regio と Siemens Mobility は、新型車両の導入にあたり、輸送能力の向上だけではなく、 DX の活用による消費電力や保守費用の抑制といった革新技術のほか、車両内における無料 Wi-Fi などの多様な設備を新たに採用予定で、空調設備もその対象の一つ。

 現在、鉄道車両用空調装置向けの冷媒として広く使用されている R407C、R134a などの代替
フロン は、地球温暖化係数(以下、 GWP) ※3 が高く、環境負荷が大きいことが問題視されている。一方、 R290 は GWP が低い新しい冷媒として注目されているが、燃焼性に対応するため、設計・設置時に安全対策が必要となる。MEKT は、R290 に対する安全性を確保した設計を行うことで、 Siemens Mobility から鉄道車両用 R290 空調装置を受注した。 MEKT の鉄道車
両用 R290 空調装置は、新型車両のサステナビリティに貢献する。

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