日立建機と丸紅、ブラジルに鉱山機械の販売・サービス会社設立で合意

・新車販売から部品・サービス提供までの体制を強化し、南米市場のマイニング事業を拡大

 日立建機は9月18日、8月に、丸紅とブラジル連邦共和国(以下、ブラジル)に鉱山機械の販売・サービス会社ZAMine Service Brasil Limitada(以下、ザマイン・ブラジル社)を設立することで合意したと発表した。日立建機と丸紅は両社が50%ずつ出資する特別目的会社を設立し、特別目的会社が全額出資する販売・サービス会社を設立する予定。今後、ザマイン・ブラジル社設立の具体化に向けた協議を両社で進めていく。

 ザマイン・ブラジル社の設立により、銅・鉄鉱石・金などの採掘拡大が見込まれる南米市場の新車販売から部品・サービス提供までの体制を強化することで、南米市場のマイニング事業を拡大する。

 2023年度から始まった日立建機グループの中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ」では、経営戦略の4つの柱の中に「米州事業の拡大」を掲げている。北米市場は販売代理店網の早期構築により販売・サービス体制が整っているが、マイニング事業が中心となる南米市場においては、事業拡大に向けて中核となる拠点の整備が課題になっていた。

 中南米市場は世界のリジッドダンプトラックの23%、超大型油圧ショベルの9%の需要*1を占め、今後も需要拡大が見込まれる銅・鉄鉱石・金などの鉱物資源が多く採掘される。中でもブラジルは、日立建機の超大型油圧ショベルが多く稼働しているため、これらの納入実績をベースに部品・サービスの拡販、さらなる新車販売が見込める。

*1: 積載重量150トン以上のダンプトラックおよび運転質量190トン以上の超大型油圧ショベルが対象。(2010年-2024年3月需要台数合計)に基づく。

 ブラジルでの鉱山機械販売は、2017年より丸紅の100%子会社Marubeni Brasil S.A.(丸紅ブラジル会社)が担ってきた。今回、稼働機に対する部品・サービス体制を強化するため、ザマイン・ブラジル社を設立し、丸紅のブラジルにおける長年の事業経営ノウハウ・顧客ネットワークに加え、日立建機が建設機械メーカーとして、万全な保守・サービスを提供する体制を構築することにした。丸紅と日立建機は1970年代から協業を続けており、オーストラリアやウクライナで販売・サービス会社を共同で設立・運営してきた実績に加え、丸紅の子会社および関連会社を通じてペルー、チリ、コロンビアなどで日立建機の鉱山機械を販売している。これらの経験を生かし、ザマイン・ブラジル社を設立することに合意したもの。

 日立建機グループは、ブラジル含め南米全体のマイニング事業体制の再構築を進め、2025年度に独自展開分のみ*2で米州売上収益3,000億円以上をめざす。
*2:ディア社向けOEM売上収益を除いた数値。

<ザマイン・ブラジル社 概要>
会社名:ZAMine Service Brasil Limitada
所在地:ブラジル ミナス・ジェライス州
事業内容:日立建機グループの鉱山機械販売・サービス
出資比率:特別目的会社ZAMine Latam Holdings株式会社 100%

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