日機装、欧州で低・脱炭素向け機器 生産能力を増強へ

・CE&IGグループ、ドイツの基幹工場を拡張

 日機装(東京都渋谷区)は9月12日、連結子会社グループであるClean Energy & Industrial Gasesグループ (米カリフォルニア州 テメキュラ、以下、CE&IGグループ)が、ドイツ・ザクセン州ヴルツェンにある基幹工場の拡張工事を行うと発表した。完成予定は2025年の上期中。

 この拡張により、同工場ではCO2回収プラント関連機器に加えて、新たに水素ステーションや、LNGあるいはアンモニアのターミナル基地などで使われる低・脱炭素市場向け機器を製造できるようになる。製造面積は約2倍となり、生産能力も倍増する。日機装グループは、同工場を基幹として欧州でのクリーンエネルギー向けビジネスを加速させる。

■拡張の背景
 米国やアジアなどでLNG・水素などのクリーンエネルギーを中心とした事業戦略を進めてきたCE&IGグループは、欧州での事業を強化するため、2022年12月に欧州や中近東を中心に液化ガス・産業ガス関連機器・装置の設計、製造などを手掛けるCRYOTEC Anlagenbau GmbHを買収した。この買収により、CE&IGグループは欧州で液化プラント、水素ステーション、CO2回収のビジネスを展開する基幹拠点を得ることができた。

 同工事は、買収時より継続している欧州での事業強化の一環。今回の拡張工事では、新たにクライオジェニックポンプの組立や熱交換器、水素ステーション関連機器の製造に対応できるスペースを新設する。これにより、欧州でのLNG・アンモニアターミナル、水素製造プラント、水素ステーションといったクリーンエネルギー市場の需要に対応することが可能。また、これまで生産していたCO2回収プラント関連機器も、需要拡大が見込まれていることから、拡張したスペースを利用して生産能力を向上させる。

 なお、同工場は、拡張工事後もすべて太陽光発電システムを利用して再生可能エネルギー由来の電力で運営する予定。

■CE&IGグループについて
 CE&IG グループは、クリーンエネルギーおよび産業ガス市場向けに極低温機器、技術、アプリケーションを提供するリーディングカンパニー。世界22カ国に1,600名以上の従業員を擁しており、日機装 グループを統括するCryogenic Industries, Incは日機装の完全子会社。

 70年以上前から極低温ポンプの製造を手掛けており、LNG・水素・産業ガスなど極低温流体の取り扱い技術に優れている。現在では、LNG・水素・産業ガスの各分野において、ポンプや熱交換器の供給に加え、EPC(設計・調達・建設)を含めた極低温のポンプ関連設備・プラントを⼀括提供できるソリューション企業として⽶国を中⼼にグローバルに事業拡⼤してきた。
URL:https://www.nikkisoceig.com/

<日機装 会社概要>
会社名: 日機装株式会社
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー22階
創業:1953年12月26日
代表者:代表取締役社長 甲斐 敏彦
事業内容:産業用特殊ポンプ・システム、医療機器、航空機部品等の製造・販売
URL:https://www.nikkiso.co.jp/

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