明治、神奈川県厚木市に新工場建設、投資額は約 400 億円

・生産体制再編も発表

 明治ホールディングス(HD、東京都中央区)は9月6日、事業子会社である㈱明治(東京都中央区)において、 神奈川県厚木市に新工場を建設するとともに、生産体制を再編することを決定したと発表した。

■計画の目的
 国内のデイリー事業の最適生産体制の構築とサステナビリティの推進に向けて、生産体制の再編を実施する。ヨーグルトを中心に生産能力を最適化することで、固定費削減と生産効率化に よる収益性の向上を図るとともに、デイリー事業をよりサステナブルな事業へと変革すべく、そのモデル工場とし て新工場を建設する。

 デイリー事業は、多様化する顧客ニーズへの対応、生産や物流における労働力不足、食品ロスなどの課題 を抱えている。神奈川新工場では、新たな生産技術の導入による賞味期限の延長、需給システムの高度化 などに取り組み、デイリー事業を、より人・環境に優しい、サステナブルなビジネスモデルに変革させていく。

 また、環境面においては、エネルギー効率の高いヒートポンプの導入や太陽光パネルなどの再生エネルギー の活用により、CO2 排出量ゼロを可能とするカーボンフリーな次世代スマートファクトリーを実現し、明治グルー プが目指す環境に配慮した生産体制の構築を一層前進させていく。

 この取り組みにより収益性を向上させるとともに、賞味期限の延長や環境負荷低減への取り組みを付加価値に 転換することで、事業成長とサステナビリティ活動の同時実現を目指す。

■生産体制再編の概要
・神奈川新工場を建設し、現神奈川工場、東北工場および戸田工場の生産を中止
・生産中止する 3 工場で生産する商品群(プレーンヨーグルト、ドリンクヨーグルト、明治おいしい牛乳およびチルドザバスミルク等)については、神奈川新工場および既存工場への生産移管等を予定 

<新工場建設の概要>
名称:未定
建設予定地:神奈川県厚木市酒井地区
敷地面積 :99,999 m²(30,250 坪) ※工場建築面積 17,271 m²
投資額:約 400 億円
資金調達方法:自己資金および借入金
生産品目:プレーンヨーグルト、ドリンクヨーグルト等
年間生産高:約 350 億円 (想定)

■新工場のコンセプトと取り組み

(1)コンセプト:『デイリー事業をサステナブルに変革させるスマートファクトリー』
(2)取り組み
①サステナビリティ ・生産・物流の効率化、食品ロス削減につながる賞味期限延長技術の進化 ・国内飲料業界初※1 のオール電化による「CO2 排出量ゼロ※2」の実現 ・ウォーターハーフ(水使用量既存工場比半減※3) ・プラスチック使用量削減(容器の紙化推進、PET ボトルの軽量化・リサイクルレジン使用)

②付加価値向上 ・多様化するニーズに対応する多品種生産や、将来の付加価値創出に柔軟に対応できるライン設計 ・新領域や新形態商品の開発・生産への挑戦

③生産性向上
・生産部門:生産設備の高能力化、資材搬送の無人化 ・物流部門:自動倉庫・無人搬送台車を活用した冷蔵庫内作業の大幅省人化 ・間接部門:遠隔監視システムなどを用いた業務効率化
※1 明治調べ ※2 Scope1,2、生産工程における ※3 売上高原単位ベース

<現神奈川工場・東北工場・戸田工場の概要 >
(1)現神奈川工場
所在地:神奈川県茅ケ崎市下町屋 1-8-1
操業開始:1963 年
生産品目:ヨーグルト

(2)東北工場
所在地:宮城県黒川郡大和町松坂平 3-1
操業開始:2000 年
生産品目:牛乳、乳飲料、ヨーグルト

(3)戸田工場
所在地:埼玉県戸田市川岸 1-2-26
操業開始:1954 年
生産品目:ヨーグルト、乳飲料、業務用クリーム等  

<今後のスケジュール>
2025 年 5 月 :神奈川新工場着工
2025 年 11 月 :東北工場生産中止
2027 年 3 月 :神奈川新工場生産開始、現神奈川工場生産中止 2027 年 7 月 :戸田工場生産中止

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