三菱重工、サウジアラビア向けに最新鋭JAC形ガスタービンを初受注

・サウジアラムコ社とトタルエナジーズ社の石油化学施設向けプロジェクトで

・三菱重工の現地工場で大型ガスタービンを初めて組み立て、国策の“現地化目標”にも貢献

・出力47万5,000kW級で2027年の運転開始、石油化学施設に電力および工業用蒸気等を供給へ

     三菱重工業は8月26日、サウジアラビアに新設されるガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)方式のコージェネレーション(熱電併給)設備向けに、最新鋭のM501JAC(J-series Air-Cooled)形ガスタービンを受注したと発表した。アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの国営エネルギー会社Abu Dhabi National Energy Company(TAQA)と株式会社JERAが出資するSPC(特別目的会社)のNajim Cogeneration Company Limitedから、現地エンジニアリング会社Samsung C&T Corporation Saudi Arabiaを通じて、同国向けのJAC形としては初めて受注したもので、運転開始は2027年を予定している。

 受注したコージェネ設備は、発電出力47万5,000kW級で、同国東部のジュバイル(Jubail)市に建設。サウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラムコ社(Saudi Aramco)とフランスに本拠を置く総合エネルギー企業であるトタルエナジーズ社(TotalEnergies)の合弁会社SATORP(Saudi Aramco Total Refining and Petrochemical Company)が、同市内に建設する石油化学施設に、電力および工業用蒸気を供給するもの。

 三菱重工は、今回のプロジェクトでJAC形ガスタービン1台を供給。三菱重工の現地工場で組み立てる初の大型ガスタービンとなる。この工場は、総面積1万7,200m²で、主要なガスタービン部品の補修サービスも手掛けている。従業員の多くはサウジアラビア国民で、国家プログラムの「ビジョン2030」に沿って“現地化目標”に貢献する。

 三菱重工の最新鋭JAC形ガスタービンは、水素と天然ガスの混焼による発電が可能で、世界トップクラスの信頼性と64%以上の発電効率を誇り、電力需給のバランスに配慮できる柔軟性、起動時間の短縮、負荷追従性を備えている。このため、安定した低炭素電力の供給を通じて、サウジアラビアの産業成長と脱炭素化という目標に貢献する。

 三菱重工は今後も、サウジアラビアにおいてエナジートランジション実現に向けての安定的かつ効率的な電力事業運営をサポート。併せて、グループを挙げて高効率で環境に優しいGTCC発電設備の普及に一層力を注ぎ、世界各地の経済発展に不可欠な電力の安定供給に寄与するとともに、持続可能な脱炭素社会の実現に貢献していく。

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