ispace、コマツと月面環境対応を考慮した機器の設計に関わるコンサルティング契約を締結

 ㈱ispace(東京都中央区)は8月9日、建設・鉱山機械メーカーであるコマツと、宇宙機開発に関するコンサルティング契約を締結したと発表した。

 コマツは、スターダストプログラムの一環として2021年より国土交通省及び文部科学省連携の宇宙無人建設革新技術開発推進事業に採択されており、将来構想として、月面建機開発を目指している。今回、ispaceは宇宙試験機の設計や月面環境で使用可能な部品および素材の選定等、知見を活かしたコンサルティングを提供することを目的とした戦略的な契約の締結した。

 ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史 氏のコメント:「スターダストプログラムの一環となる国土交通省及び文部科学省連携の宇宙無人建設革新技術開発推進事業で、月面等宇宙開発における建設活動に資する研究開発に取り組まれているコマツと、戦略的なコンサルティング契約を締結出来たことを嬉しく思います。月面建設に必要な無人建設機械の研究開発に、私たちのこれまでの開発実績や知見が活かされ、他業種が共に宇宙開発に挑み、加速していけることを楽しみにしています。」

■コマツについて
 コマツは、建設・鉱山機械、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械などの製造・販売の分野で、グローバルに事業を展開している。創業から100年以上にわたり技術を磨き、新たなソリューションを提供しつづけている。

■ispace について
 「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続く2024年冬[i]にミッション2の打ち上げを、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。

 ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

 ニュースリリース