加藤製作所、24年4〜6月売上は17. 2%減の108億円、24年予想700億円(21.7%増)は変えず

 ㈱加藤製作所が8月9日に発表した2024年3月期第1四半期(4〜6月)連結業績によると、売上高は、108億2千3百万円(前年同期比82.8%)、営業損失は7千8 百万円(前年同期は+1億9千万円)、経常利益は4億3千8百万円(前年同期比53.8%)、親会社株主に帰属 する四半期純損失は2億5千2百万円(前年同期は△6億3千1百万円)となった。

 第1四半期における我が国経済は、円安基調による物価上昇基調の影響が続く状況ではあったも のの、雇用情勢や所得環境の改善により、緩やかな回復基調が継続した。一方、世界経済は、欧米における金融引締め政策に加え、中国における不動産市況の低迷長期化、中東・ウクラ イナ情勢等の地政学リスク等、不透明な状況が続いた。

 このような状況下、加藤製作所グループでは前々期から推進している3ヵ年の中期経営計画のテーマである『スリムで 骨太体質への変革』のもと、基本方針である「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」の各施策に取組んできた。特に将来の基盤構築(選択と集中)として、近年厳しい事業環境により業績が低迷し ていた中国事業の抜本的な見直しと併せ、成長市場であるインド国内での現地企業との合弁会社設立に向けた準備を進めるなど海外事業ポートフォリオの見直しを積極的に推進した。

 加藤製作所2025年3月期第1四半期データ

■セグメント別の経営成績
①日本:建設用クレーンの国内売上高は一部大型製品の販売時期が先送りになったことにより51億6千4百万円(前年同期比83.4%)、海外売上高は12億3千6百万円(前年同期比81.5%)となりアジア向けの大口販売があった前期から 減収となった。
 油圧ショベル等の国内売上高は15億4千2百万円(前年同期比104.1%)と前年と同水準となった一方、米州向け 輸出の需要引締まりなどにより海外売上高は12億8百万円(前年同期比62.4%)の減収となった。
 以上を含めた日本の売上高は92億9千8百万円(前年同期比82.1%)となり、セグメント利益は1千3百万円(前年同期比3.8%)となった。

②中国:中国は、不動産市況の低迷長期化により厳しい販売環境が継続しており、売上高は7億3百万円(前年同期比112.2%)、セグメント損失は1億9百万円(前年同期はセグメント損失2億7千2百万円)となった。

③欧州:欧州は、金融引締め政策に伴う需要減少により売上高は11億3千万円(前年同期比74.5%)と減収、セグメント利益は1千6百万円(前年同期比76.0%)となった。

④その他:その他地域は、欧州セグメントを分離したことにより売上高は発生せず、セグメント損失は4百万円(前年同期はセグメント損失1千7百万円)となった。

■主要品目別売上高の状況

①建設用クレーン: 国内売上高は51億6千4百万円(前年同期比83.4%)、海外売上高は12億2百万円(前年同期比73.8%)となり、 建設用クレーンの売上高は63億6千7百万円(前年同期比81.4%)となった。

②油圧ショベル等:国内売上高は15億4千2百万円(前年同期比104.1%)、海外売上高は27億6千8百万円(前年同期比77.4%)となり、油圧ショベル等の売上高は43億1千万円(前年同期比85.2%)となった。

③その他:その他製品の売上高は1億4千5百万円(前年同期比76.5%)となった。

■ 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
 加藤製作所は、現在推進している中国事業の見直しに伴い発生する影響額が期初において合理的に見積もることが困難なことから2024年5月14日公表の「2024年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」において、2025年3月期の通期連結業績予想のうち親会社株主に帰属する当期純利益については未定としていたか、現時点で の影響額の概算が算定できたことを受け、未定だった予想を以下のとおり修正した。

 売上高700億円(前期比 21.7%増)、営業利益21億円(同27.0%増)、経常利益15億 円(同41.8%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は△54億円(前期は+42億3千5百万円)と予想している。

 加藤製作所の2025年3月期第1四半期決算短信
 決算説明資料