アマダ、24年4〜6月売上収益は4.0%減の831億円、24年度予想4,150億円(2.8%増)は据え置き

 ㈱アマダが8月8日に発表した2025年3月期第1四半期(4〜6月)連結業績によると、経営成績は、国内及びアジア市場において、前第4四半期(1〜 3月)の好調な業績からの反動もあり、売上収益は83,093百万円(前年同期比4.0%減)となり、このうち、国内は25,395百万円(同9.2%減)、海外は57,698百万円(同1.4%減)となった。営業利益は、販売価格の改善や製造合理化による増益効果はあったものの、前下期から続く在庫調整や資材・エ ネルギー価格の高止まりの影響を受け、8,569百万円(同28.8%減)となり、親会社の所有者に帰属する 四半期利益が6,499百万円(同30.6%減)となった。

 アマダグループでは長期成長戦略「長期ビジョン2030」を掲げ、2023年5月に2025年までの中期3ヶ年計画「中期経営計画2025」を新たに策定し、公表した。この中期経営計画では①売上収益4,000億円の必達と収益性の改善、②長期成長戦略への活動開始、③資本政策(株主還元)の実施、④ESG経営・体制強化の4つの経営戦略によ り、継続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいる。

 第1四半期におけるアマダグループを取り巻く環境は、世界的なインフレ進行と欧米での金利の高止まり、ウクライナへの軍事侵攻や中東情勢緊迫による地政学リスク、中国経済の長期低迷など、依然として先行 き不透明な状況にあるが、人手不足やエネルギー価格の高騰、環境配慮への対応措置として、アマダグループの 省電力化・自動化・高生産性商品への設備投資需要が喚起されている。

■事業別・地域別の概況

①金属加工機械事業
 売上収益は67,876百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益は7,005百万円(同28.4%減)となった。

<板金部門の地域別>
日本:多くの中小企業において、資材価格高騰に対する価格転嫁が進まず、省人化を主とした更新投資に留ま る傾向がみられた。業種別では、精密・電子機器や鉄骨・建設金属、特殊車両関連の設備投資が堅 調に推移したものの、工作機械や建機関連、配電盤・制御盤などが軟調、年度末における需要の反動もあり、売上収益は15,564百万円(前年同期比16.1%減)となった。

北米:米国経済は内需主導で堅調、設備投資も進む中、データセンター増設に伴うサーバラックや電力不足に 対応するための自家発電機関連の設備投資が引続き底堅く推移した。また、カナダでは自動化商品 への需要が引き続き堅調であり、好調な市場環境が続いている。その結果、売上収益は20,776百万 円(同4.4%増)となった。
欧州:金利の高止まり等の影響を受け、依然として経済環境は足踏みが続いているが、国別では前期からの受注残を売上に繋げた英国、農業や再生可能エネルギー関連への投資が続くイタリア、レーザ商品の 大型案件があった東欧が堅調に推移した。その結果、売上収益は16,660百万円(同4.9% 増)となった。

アジア他:中国では、不動産市況の低迷などで回復時期は依然として不透明な状況にある中、多品種少量生産及び 知能化・自動化に対する需要が底堅く推移したことで売上収益は前年同期を上回った。一方、アジ ア・ASEANにおいては、一部で持ち直しの動きがみられるものの、全体として設備投資に慎重な姿 勢が続いており、総じて低調に推移した。その結果、売上収益は7,287百万円(同20.0% 減)となった。

<微細溶接部門>
 米国では、医療機器分野でレーザ微細加工の大規模なリピート案件やYAGレーザを用いた気密溶接の需要があった。韓国では、引続き北米向け車載電池関連が堅調。欧州では、医療と電子部品関連の需要が堅調に推 移した。

②金属工作機械事業
 売上収益は14,891百万円(前年同期比1.8%減)、営業利益は1,304百万円(同35.5%減)となった。

■今後の見通し
 連結業績予想については、現時点では2024年5月14日に公表した予想値(下記)に変更はない。

 2025年3月期の連結業績見通しは、売上収益4,150億円(前期比2.8%増)、営業利益590億円(同4.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益410億円(同0.9%増)。

アマダ の2025年3月期第1四半期決算短信

第1四半期決算説明資料