鍛圧機械工業会、2024年暦年の中間受注見通しを前年比3.2%減の3,550億円に下方修正

 日本鍛圧機械工業会は8月1日、2024暦年の受注見通しは3,550億円、前年比3.2%の減と、昨年12月の予想から下方修正したと発表した。コロナ後の設備投資は堅調に推移してはいるが、海外、特に中国経済の減速、ロシアのウクライナ侵略の長期化、中東紛争と地政学リスクによるマイナス要因の影響は続いており、海外のみならず国内においても投資計画は様子見となっている。この傾向は2024年の後半までは続くと予想される。半導体生産の回復も遅れ気味であり、自動車関連でのEV化に向けた積極投資も地域的にまだら模様であり、以前の勢いは期待できないと思われる。年度も後半の回復要素が見当たらないこともあり、暦年の横ばいとみた。

 機種別によると、2024暦年のブレス系は1,450億円、前年比5.8%の減とみた。国内・海外ともに自動車のEV化対応の先行投資も受注残はあるが、新規需要としては一部一服感が見え、大型機械の投資も一段落した状況とみた。

 板金系は1,150億円、前年比6.6%減とみた。国内は各種経済政策等による景気の下支えはあるが、社会インフラ工事も、現場では人手不足から着工納期の遅れが顕在化し、建築資材関連の生産にも影響が出てきている。

 この傾向は2024年度いっぱいは続くとみられ、後半の回復が期待できない状況である。一方でサービス系は好調に推移しており、950億円、前年比5.9%増と1990年以来の900億円越えが期待できる。

 2024年の国内は1,500億円、前年比6.1%減とみた。国内では政府による経済対策の下支えはあるものの、自動車、電気、建築関連業界等の設備投資に勢いがなく、後半に向けての上向き要因が乏しいいえる。

 2024年の輸出は1,100億円、前年比6.2%減とみた。中国での政府による更新促進策も日本製が対象となるか不明であり、欧米でのEV化設備投資も一服感がある。一方でインド等新興国の回復が期待できるとしている。

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