三菱化工機、本社・川崎製作所の再編計画を発表

 三菱化工機(川崎市川崎区)は8月1日、本社・川崎製作所の再構築に関する基本計画を発表した。同計画は、同社が掲げる4つの戦略的事業領域の確立に向けた事業ポートフォリオ改革と、新たなモノづくり戦略を推進するための戦略的な事業投資。化学工業機械の国産化を目的に同社が誕生した同地で、創立100周年を迎える2035年や、その先の2050年に向けた成長の歩みを着実に進めていく。新施設の完成は2027年を予定している。

■再編の目的
 三菱化工機は1935年(昭和10年)の創立以来、現在の本社・川崎製作所をモノづくりの主力工場として、さまざまな製品の開発・製造を行ってきた。2012年には、当時三つあった工場の一つを、主力製品である油清浄機「三菱セルフジェクター」専用工場として建て替えを行ったが、残る工場、事務所棟、研究棟なども老朽化が進んでおり、建築物の根本的な見直しが必要となっていた。

 同社グループが目指す姿を策定した「三菱化工機グループ2050経営ビジョン」の実現のためには、カーボンニュートラル社会に寄与する新しい技術や製品の開発が不可欠であり、開発の拠点や新しい製品の製造拠点が必要となることから、今回、本社・川崎製作所の全面的な再整備を決定した。

■再編計画の概要
 計画では本社・川崎製作所内の各棟(SJ工場・水素ステーション一帯を除く)を解体し、同社事業に必要な機能(工場・事務所・研究施設)の建て替え配置を行う。

1.事務所研究棟
 事務所及び研究施設の機能を集約することで、それら機能に要するスペースや食堂、会議室など付帯設備の最適化を図る。また、従業員の多様な働き方や自主・自律・自発的な活動に応える空間デザインを計画し、従業員エンゲージメントおよび労働生産性の向上を図る。

2.工場実験棟
 環境に配慮した最先端工場をコンセプトに、省エネや脱炭素化、DX化をリードするモノづくりの中心拠点として、次世代製品の生産を担うほか既存の遠心分離機やろ過機、フィルター等の産業機械及び船舶環境規制対応機器の組み立て機能を担うものとする。また、既存あるいは新規技術と経営ビジョンに掲げる戦略的事業領域を軸に、外部機関との共創・相乗効果を図る多目的な実験・研究フィールドを併設する。新規事業の探索とともに次世代製品の開発を一層加速させ、戦略的事業領域の確立と新たな成長事業を生み出す拠点づくりを進める。

<本社・川崎製作所>
所在地:神奈川県川崎市川崎区大川町2番1号
<事務所研究棟>
構造種別:鉄骨造
延べ面積:約7,900㎡
階数:地上4階(内塔屋1階)
最高高さ:約20m
完成予定:2027年2月

<工場実験棟>
構造種別:鉄骨造
延べ面積:約5,800㎡
階数:地上3階(内塔屋1階)
最高高さ:約16m
完成予定:2027年2月

 詳細は、ニュースリリース