・水冷方式の量産を開始し、生成AIの普及を支えるデータセンタの進化に貢献
古河電気工業(東京都千代田区)は7月24日、データセンタ向け放熱・冷却製品(以下、ヒートシンク)の開発拠点である平塚工場と主力生産拠点であるフィリピン工場(FURUKAWA ELECTRIC THERMAL MANAGEMENT SOLUTIONS & PRODUCTS LAGUNA, INC.、以下、FTL)と同じLaguna工場団地内に、データセンタ向け水冷モジュールの製造工場を新設すると発表した。
■背景
古河電気工業では、データセンタで用いられる演算装置(CPU・GPU等)の放熱・冷却を行うヒートシンクを開発・設計し、データセンタ向け製品として展開している。2019年には、ヒートシンクに対する国際的な調達ニーズの多様化とBCPを踏まえ、安定した製造体制の構築を図るため、FTLを開設した。
近年は生成AI市場の著しい成長を背景に、データセンタの高発熱化に対応する高性能なヒートシンクへの要求が高まっている。従来は、ヒートシンクにファンで風を送って放熱する空冷方式が主流だったが、今後は、流路を設けたコールドプレートを素子面に搭載して水などの液体を循環させて熱を回収する水冷方式の適用割合が増加すると見られており、古河電気工業は従来の空冷方式に加えて、水冷方式によるソリューションについても研究開発を行っている。
■内容
2026年度の水冷方式の量産開始に向けて、古河電気工業の平塚工場とFTLと同じLaguna工業団地内にデータセンタ向け水冷モジュールの製造工場を新設する。これにより、国内拠点における設計開発力の強化と、BCPを踏まえた多拠点による製造体制の整備を図り、生成AIの普及を支えるデータセンタの進化に貢献していく。水冷モジュールの売上は、2026年度60億円、2027年度250億円を計画している。
なお、FTLでは、使用する全ての電力が再生可能エネルギー由来の電力で、新設する製造工場についてもスコープ1・2の温室効果ガス排出量はゼロとなる。また、平塚工場で使用する全ての電力についても再生可能エネルギー由来の電力を導入し、スコープ2の温室効果ガス排出量はゼロとなる。
古河電気工業は今後も高性能・差別化製品の提供により、成長著しい通信インフラ分野の発展に貢献していく。
<平塚工場>
所在地:神奈川県平塚市東八幡5丁目1番9号(平塚事業所内)
量産開始時期:2026年10月
新工場延床面積:1,911m2
<FTL水冷工場>
所在地:Lot 9, Block 2, Phase 7C, Laguna Technopark, Brgy. Mamplasan, Biñan, Laguna, Philippines
量産開始時期:2026年10月
新工場延床面積:16,406m2