ファナックが7月29日に発表した2025年3月期第第1四半期(4~6月)連結業績によると、売上高は1,651億 円(前年同期比 3. 3%減)、営業利益は329億58百万円(同1.1%増)、経常利益411億 29百万円(同1. 3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は288億 3百万円(同5.0%減)となった。
第1四半期におけるファナックグループを取り巻く状況については、設備投資需要に回復の動きがみられるものの、為替動向や地政学的リスク等の懸念から、総じて予断を許さな い状況が続いた。また、2022年度下期から続く在庫調整について、適正な在庫状況に戻りつつあるが、一部 でなお継続している。このような厳しい状況が続く中、ファナックでは業績への影響を最小限にとどめるべく、セールス、 研究開発、工場、サービス、事務、全ての部門の総力を挙げて拡販や経費削減等に取り組んだ。
■部門別の概況
<FA部門>
FA部門については、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、一部に回復基調の市場や堅調な市場もあ るものの、全般的には国内を含む世界各国で低調に推移し、CNCシステムの売上も減少した。
FA部門の売上 高は479億71百万円(前年同期比3.4%減)となった。
<ロボット部門>
ロボット部門については、欧米では、一般産業向けは若干低調だったものの、自動車関連向けは前期からの受注残により堅調で、売上が増加した。国内では、自動車関連向けで回復傾向が続き、売上が増加した。一方、中国では、好調だったEV関連向けが若干下降気味であり、インフラ関係と電子産業向けも低調で売上が減少した。
これらの結果、ロボット部門の売上高は841億42百万円(前年同期比12.8%減)となった。
<ロボマシン部門>
ロボマシン部門については、ロボドリル(小型切削加工機)では、国内および海外市場ともに低調に推移し、売上は横ばいだった。ロボショット(電動射出成形機)では、中国での需要増があり、売上が増加した。ロボカット (ワイヤ放電加工機)では、EMC指令に基づく整合規格不準拠の試験実施の疑義により欧州向け仕様の出荷を停止した ことの影響等もあり、売上が減少した。
これらの結果、ロボマシン部門の売上高は291億64百万円(前年同期比 14.4%増)となった。
<サービス部門>
サービス部門については、「サービス ファースト」をキーワードに、サービス体制の強化、IT技術の積極的な導入 による効率アップなどを進めている。
サービス部門の売上高は338億23百万円(前年同期比12.2%増)となった。
■連結業績予想に関する説明
前回発表時点の計画よりも業績が堅調に推移しているため、2025年3月期通期の業績予想を以下のとおりとした。
売上高7,843億円(前期比 3.4%減)、営業利益1,430億円(同0.8%増)、経常利益1,739億円(同4. 3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,253億円(同5.9%減)。
2024年7月からの為替レートは、平均145円/ドル、155円/ユーロを想定している。
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