三井物産は7月11日、事業パートナー(以下、プロジェクト出資者)と共に、アブダビ国営石油会社(以下、ADNOC)がアラブ首長国連邦ルワイス工業都市で推進するルワイスLNGプロジェクトの最終投資決断を行ったことを発表した。なお、三井物産は在オランダの100%子会社MBK Investment Management Netherlands B.V.(以下、MIM)を通じ出資参画する予定。
同プロジェクトは、年間960万トンの生産能力を持ち生産開始時期は2028年を予定している中流液化事業となる。総開発費を主に構成するLNGプラント建設のEPC契約価格は約55億米ドル(約0.9兆円)*1、MIM持分で約5.5億米ドル(約880億円)*1を予定している。
1970年代のADNOC LNGプロジェクトへの参画を皮切りに、三井物産はグローバルにLNG事業を推進してきたが、ADNOCとの約50年に及ぶ良好な関係を通じ、事業パートナーに選定されると共に、LNG引取りに基本合意した。三井物産は、中期経営計画2026においてGlobal Energy Transitionを攻め筋の一つとして定め、天然ガス・LNGを重要な役割を担う現実解として位置づけている。同プロジェクトは、長期的な安定収益基盤を担うことに加え、クリーン電力を活用予定のE-Drive設計*2による生産時のGHG排出の対応策を備えた低炭素LNG事業でもあり、持続可能な形で脱炭素社会への移行に寄与する取組みとなる。三井物産は、今後もグローバルな天然ガス・LNG事業の推進を通じ、エネルギーの安定供給、人々の豊かな暮らしや社会の持続的発展に貢献していく。
*1 生産開始までに発生するCAPEX(設備投資額)。
*2 原料ガスを圧縮するコンプレッサーの駆動に従来のガスタービンではなく電動モーターを採用する設計。
<プロジェクト出資者概要>
会社名・出資比率:Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC)60%、MBK Investment Management Netherlands B.V.(MIM) 10%、bp子会社10%、Shell子会社 10%、TotalEnergies子会社 10%