安川電機が7月5日に発表した2025年2月期第1四半期(2024年3~5月)連結業績によると、売上収益は前年同期比7.1%減の1,324億8百万円、営業利益は同32.4%減の111億18百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同21.1%減の91億99百万円となった。
第1四半期における同社グループの経営環境は、半導体・電子部品向けの需要が徐々に回復基調となり、自動車関連ならびに製造業全般における生産の高度化・自動化を目的とした設備投資需要も堅調に推移した。 このような環境において同社グループの業績は、高水準な受注残に支えられた前年同期に比べ、モーションコントロールを中心に減収となった。利益面については、売上減少に伴う利益減の影響を大きく受けたことにより減益となった
■地域別経営環境
日本: 半導体市場の回復が見られたが、一般産業や自動車市場を中心に需要は低調に推移した。
米国:半導体関連需要の回復に加え、オイル・ガス関連や自動車市場の設備投資が 堅調に推移した。
欧州:EVの生産におけるロボット関連の設備投資が堅調も、製造業全般における在庫調整の影響を受けた。
中国:太陽光発電用パネル関連の投資は一巡した一方、自動車関連需要や半導体市場の立ち上がりに支えられ、需要は総じて堅調に推移した。
中国除くアジア:アセアン各国やインドなどではインフラ関連や一般産業分野などにおける省エネ関連需要が増加した。また、韓国の半導体関連需要の回復もあり、需要は堅調に推移した。
■セグメント別経営成績
<モーションコントロール>
売上収益 593億68百万円(前期比 △17.1% )、営業損益 56億27百万円 (前期比 △42.6%)
モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で 構成。
売上収益は、高水準な受注残と堅調な実需に支えられた前年同期に対し、減収となった。利益面 については、付加価値の改善は進んだものの売上減少に伴う利益減の影響を大きく受け、減益となった。
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 前年同期に見られた太陽光発電用パネル関連の需要剥落や、半導体・電子部品市場における在庫調整の長期化などの影響を受け、売上収益は減少した。
〔インバータ事業〕 米国のオイル・ガス関連およびアセアン各国やインドにおけるインフラ関連の需要が堅調に推移したが、その他の地域では在庫調整等の影響を受け販売が伸び悩み、売上収益は減少した。
<ロボット>
売上収益 570億40百万円 (前期比 +8.1% )、営業損益 47億89百万円 (前期比 △22.6%)
一般産業分野では、日本と欧米を中心に生産の高度化・自動化の投資が底堅く推移した。自動車 市場においてもグローバルに投資が継続したことで、売上収益は前年同期比で増加した。利益面については、システム対応力強化に向けた先行投資や生産稼働率の低下などにより減益となった。
<システムエンジニアリング>
売上収益 104億87百万円 (前期比 △14.7%) 、営業損益 10億54百万円 (前期比 +3.0%)
港湾クレーン関連の販売が堅調に推移したが、前年度下期の大型風力発電関連の子会社売却影響 により、売上収益は前年同期比で減少した。利益面については、事業構造改革の効果などにより、増益となった
<その他>
売上収益 55億11百万円(前期比△5.7% )、営業損益2億49百万円 (前期比 2億65百万円改善)
その他セグメントは、物流サービス事業などで構成。売上収益は減少したが、営業利益は採算性の向上により前年同期比で改善した。
■2025年2月期業績予想
2025年2月期(2024年3月1日~2025年2月29日)の安川電機グループを取り巻く経営環境は、半導体・電子部品市場の投資再開が見込まれる等、製造業における自動化・省力化に関する設備投資が回復する見込みであることから、2024年4月5日公表の予想(下記)を据え置いた。
売上収益5,800億円(前期比0.8%増)、営業利益700億円(5.7%増)、税引前利益740億円(7.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益540億円(6.5%増)。
2024年6月1日から2025年2月28日までの期間における平均為替レートは、145円/米ドル、 155円/ユーロ、20円/元、0.11円/ウォンを想定している。
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