大林組グループ、北海道釧路市で国内最大級の製材工場新設

・サイプレス・スナダヤと中部電力が合弁会社を設立し、2027年4月をめどに北海道で住宅用木構造材の生産、販売事業を開始

・北海道の森林資源を活用し、住宅用木構造材の国産化を推進

 ㈱大林組のグループ会社である㈱サイプレス・スナダヤ(愛媛県西条市)と中部電力は7月1日、北海道釧路市において住宅用木構造材の生産、販売事業を行う合弁会社を設立し、2027年4月をめどに国内最大級の製材工場の新設、稼働に向けた取り組みを開始すると発表した。

■事業の背景
 現在、国内住宅用木構造材市場は、価格や強度などの点から大半が外国産材製品で占められており、国内の豊富な森林資源は伐期を迎えてもその多くが有効活用されていない。

 同事業では、輸入材に劣らない品質を有するトドマツなどの北海道産原木を使用した住宅用木構造材を製造・販売する。また、流通量の確保とコスト縮減を図るため大型機械を導入し、大量生産を実現する。これにより、品質・価格・流通量で輸入材に対抗でき、住宅メーカー各社が取り組む国産材の活用にも寄与できる。

 大林グループは、「Obayashi Sustainability Vision 2050」を策定し、「地球・社会・人」のサステナビリティの実現に取り組んできた。その施策の一つとして、木造・木質化建築におけるサプライチェーン全体を最適化する循環型ビジネスモデル「Circular Timber Construction®」を掲げ、川中に位置する製材事業だけでなく、川上の林業支援事業(植林・育林)にも取り組む方針。また、非住宅木造建築市場における木材需要が拡大した際は、新会社でもCLTなどの非住宅用木構造材の製造も検討し、川下に当たる非住宅木造木質化建築事業も強化していく。

 中部電力グループは、「経営ビジョン2.0」の実現に向けた地域インフラ事業の一つとして森林事業への参画を掲げている。森林事業への参画を通して、CO2吸収や生物多様性をはじめとした森林の多面的機能向上による流域環境への貢献、林業木材産業の収益性向上や雇用創出による地域経済への貢献、木材利用促進や脱炭素価値など多様な価値の顧客への提供に取り組んでいく。今後、道内林業関係者との協議を通じて、森林事業の参画に向け、引き続き検討を進めていく。

■事業概要
 2024年10月頃、合弁会社を設立し、大規模な生産体制を実現するため、北海道に欧州製の製材機械、木材人工乾燥装置および集成材製造ラインなどを備えた製材、集成材の製造工場を2025年5月に着工し、2027年4月に完成、稼働を計画している。

<合弁会社の概要>
会社名:株式会社釧路ウッドプロダクツ(仮称)
本社所在地:北海道釧路市
代表者:砂田和之(現 サイプレス・スナダヤ代表取締役)
資本金:1,250百万円(予定)
出資比率:サイプレス・スナダヤ80%、中部電力20%
従業員数:80~90人(操業開始後3年目1シフト稼働時の見込み)
設立年月:2024年10月(予定)
事業内容:国産材の製材、集成材の製造、販売

<製材工場の概要>
工場所在地:北海道釧路市
生産設備:原木皮むき機、原木径級選別機、チッパーキャンター製材機械、 木材人工乾燥機、集成材製造ライン、ペレット製造機械 ほか
原料:北海道産トドマツ(主体) その他北海道産針葉樹全般
原木消費量:操業1年目約10万m³、2年目約20万m³、3年目約36万m³を計画
生産品目:(主製品)構造用集成材、ディメンションランバー(2×4材)
(副製品)製紙用チップ、ホワイトペレット、おが屑
生産開始年月 2027年4月(予定)

<スケジュール>
2024年10月:合弁会社設立

2025年5月:製材工場着工予定

2027年4月:製材工場稼働予定

 ニュースリリース