・短尺ボーリングにより切羽前方の湧水圧を安全かつ容易に測定可能
大成建設は5月28日、山岳トンネル工事を施工中に切羽前方の湧水圧をドリルジャンボを用いて安全かつ容易に測定できる技術「T-DrillPacker Jumbo」を開発したと発表した。同技術は、山岳トンネル工事で使用するドリルジャンボを効果的に活用したもので、専用ボーリングマシンの導入が不要になるとともに、人力を必要としていた湧水圧測定に関わる作業が大幅に軽減され、安全性と作業性が向上する。
山岳トンネル工事では、施工中に大量の湧水が発生すると、工事の中断など作業性の低下を招くだけでなく、重大事故につながる切羽の崩壊が生じる危険性がある。そのため、施工中の切羽から前方に向かって水平方向に行う先進ボーリング等により、前方に存在する湧水帯の湧水量、湧水圧など地山の状況を事前に把握し、適切な対策工を準備することが重要となる。従来、切羽から100m程度以上を削孔する中・長尺の先進ボーリングによる事前調査では、専用ボーリングマシンを使用して削孔や計測装置であるパッカーの設置を行い、湧水圧を測定しており調査には相当の作業手間や時間、コストを要していた。また、これに対して、施工に使用するドリルジャンボを使用する場合でも、切羽から30m程度までの短尺ボーリングを削孔後、パッカーの設置が切羽直下での人力作業となるため、安全性や作業性に課題が残っていた。
そこで大成建設は、ロッドの継ぎ足しや送り込みなど、これまで人力で行っていたパッカーの設置・回収・拡張作業をドリルジャンボに搭載した機能を用いて行えるようにし、安全かつ容易に切羽前方の湧水圧を測定できる技術「T-DrillPacker Jumbo」を新たに開発した。
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