・圧入による建設プロセスの合理化、未知な月の地盤にこそ優位性を発揮
㈱技研製作所は5月28日、政府「宇宙開発利用加速化戦略プログラム」(スターダストプログラム)の一環の「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」(国土交通省および文部科学省連携。略称:宇宙建設革新プロジェクト)において、「技術研究開発(R&D)」ステージに、2024年度も継続採択されたと発表した。
同フェーズは毎年度継続の妥当性に係る審査が行われており、技研製作所は2022年度から2年連続でクリアし、3年度目となる。最長2025年度までの契約期間で、構想の具体化に向け、技術の開発や実証など取り組みを加速させていく。
技研製作所が製造販売する油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラーⓇ」や、回転切削圧入機「ジャイロパイラーⓇ」は、地盤に打ち込んだ杭をつかみ、その引き抜かれまいとする抵抗力(反力)を利用して次の杭を打つことができる。機械重量で機体を安定させる必要がなく、原理上、無重力空間でも施工可能。また、硬質地盤を含む多様な地盤条件に対応できる。
さらに、圧入施工時に得られるデータから地盤情報を推定して施工を自動的に最適化する技術や、施工完了後の杭の支持力を測定する簡易載荷試験を圧入機で行える技術も有している。これらにより、地盤に関する事前情報が非常に少ない月面での建設において、合理的な建設プロセスを提供できると考えられる。
2024年度はこの建設プロセスに関して、月面模擬砂や月面想定地盤での実証をこれまでに得られた知見を踏まえ深化させつつ、ケーススタディーによる検証にも着手する。
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