日精エー・エス・ビー機械が5月14日に発表した2024年9月期第2四半期(2023年10~24年3月)連結業績によると、売上高は豊富な受注残高を順調に消化した結果、16,648百万円(以下、前年同期比107.2%)と、第2四半期としては過去2番目の高さとなった。利益面については、売上規模の増加に加え、販売管理費の比率を前年同期並みに留めたことで、営業利益は 3,432百万円(106.0%)と増加した。また、前期に比べ為替相場が安定的に推移したことで、外貨建て資産の評価差損が生じなかったことにより、経常利益は3,473百万円(163.7%)と大幅増益。その結果、親会社株主に帰属する四半期純利益も2,603百万円(173.5%)と大幅増益となった。
受注は、前期に続き、海外展示会への積極的な出展と、社内展示会における提案強化が実を結び、受注環境は引き続き好調に推移し、受注高は20,592百万円(前年同期比125.3%)に達し、第2四半期としては過去最高を更新した。受注残高も18,330百万円(前年同期末比 117.0%)と過去2番目の高水準を記録した。
第2四半期連結累計期間は、世界的なインフレ進行と金融引き締め政策に伴う景気減速懸念の高まりや、中東情勢の緊迫化及びウクライナ情勢の長期化による地政学リスクの 増加等により、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いた。一方で、同社グループの属するストレッチブロー成形機業界は、不安定な政治経済情勢に伴う設備投資意欲の減退懸念はあるものの、安全で衛生的なプラスチック容器の需要は底堅いものがあり、事業活動は今後も堅調に推移すると見込まれている。
こうした環境下、同社グループは「人と社会に豊かさを提供する」「高い技術、サービスで恒久的な存続を追求する」との経営理念に基づき、中長期的な成長発展方針を継続し、事業規模の拡大を見据えた各種戦略的施策の展開に注力した。
技術面では、得意領域である非飲料容器分野において、主力製品である1ステップ機の競争力強化に努め るべく、「ゼロ・クーリングシステム(生産性と容器品質の向上を図る画期的な成形手法)」及び「クイックモール ドチェンジ(金型交換時間短縮仕様)」の更なる改良に努めた。また、重点市場である飲料容器分野では、大量生産から中小ロット生産のあらゆる顧客ニーズに応えるべく、「PF36シリーズ」の機能向上及び中小ロッ ト生産向けの新型機の開発を進めている。更に、顧客の生産性向上をサポートするDX戦略では、成形機の制御・モニタリングシステムである「Vision1」の提案を進め、顧客とのつながりを強化している。
販売面では、前期に創設した営業本部の指揮のもと、世界各国の営業情報の有機的連携を図り、グローバル顧客 への提案力強化に努めた結果、主力の「ストレッチブロー成形機」を中心に、受注高が大きく増加した。また、安定収益の柱となる「金型」及び「部品その他」の受注は引き続き好調を維持している。なお、2023年10 月に日本本社において開催した社内展示会には、世界40ヶ国から150社・400人の顧客が来場し、4年ぶりの開催と して大好評のもとに終えており、受注獲得に向け、引き続き営業活動を強化していく。
生産面では、前期に完了したインド工場への大規模設備投資により生産能力が増強された結果、インド工場への 大型機及び新型機の生産移管が進展した。現在は、従来から高水準だった金型部品の生産に加え、機械部品の生産状況も向上しており、同社の企業競争力の源泉であるインド工場の有効活用を今後一層進めていく。
なお、日本本社近隣に用地取得済みである新工場の建設計画については、グローバルでの生産最適の観点から引き続き検討を進めていく。
環境対応技術では、「CO2削減」及び「プラスチックごみ削減」の2つのテーマにおいて研究開発を進めている。これらのテーマは前述の社内展示会での顧客の関心も高く、業界のリーディングカンパニーとして、環境対応技術で持続可能な社会の実現に貢献していく。
■製品別売上状況
製品別の売上高状況については、安定収益の柱となる金型(前年同期比134.5%)及び部品その他(118.8%)が米州を筆頭に引き続き好調を維持している。一方で、ストレッチブロー成形機(93.6%)及び 付属機器(67.9%)については、豊富な受注残高の売上実現が下期以降に予定されていることもあり、前年同期を下回っている。
■セグメント(地域)別売上高状況
<米州 >
堅調な中南米地域に加え、北米でも機械需要が回復した結果、受注高は6,633百万円(143.6%)と第2四半期として過去最高となった。売上高も豊富な受注残高を着実に消化した 結果、5,997百万円(112.1%)と増収となった。セグメント利益も増収効果等により976百万円(172.4%)と増益となった。
<欧州 >
経済環境には不透明感が見られるものの、生活必需品に根差した同社需要は堅調なため、受注高は
3,677百万円(99.3%)と高水準で推移している。売上高も安定した状態を維持しており、3,282百万円(108.8%)と増収となった。また、セグメント利益も前期の展示会費用の負担解消 により453百万円(226.4%)と増益となった。
<南・西アジア>
東南アジア市場は市況回復に時間を要しているものの、中東及びインド市場が堅調に推移した結果、受注高は5,629百万円(105.5%)と増加した。売上高も、インド市場の牽引により 5,313百万円(111.1%)と増収となった。セグメント利益も増収効果等により1,332百万円(209.8%) と増益となった。
<東アジア >
日本市場での大口案件(PF36)の受注が引き続き好調に推移したことにより、受注高は4,651百万円(167.1%)と第2四半期として過去最高となった。一方、売上高は、昨年度に受注 した大口案件の出荷が下期以降に予定されていることもあり、2,055百万円(同86.7%)と減収となり、その結 果、セグメント利益も2,171百万円(同73.1%)と減益となった。
■2024年9月期連結業績の見通し
2024年9月期の連結業績予想については、2023年11月10日公表(下記)の予想に変更はない。
売上高372億円(前期比6.9%増)、営業利益78億円(同8.8%増)、経常利益79億円(同13.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益55億5千万円(同9.1%増)と予想している。
日精エー・エス・ビー機械の2024年9月期第2四半期決算短信
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