アイダエンジニアリング、23年度売上は5.7%増の727億円、24年度予想は1.7%増の740億円

 アイダエンジニアリングが5月15日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、受注高は、前年同期における高速プレス機の駆け込み受注の反動があったものの、かかる特殊要因を除けば受注は堅調に推移し791億05百万円(以下、前期比5.8%減)となり、受注残高は年度末としては過去最高の767億05百万円(9.0%増)となった。売上高については、電気自動車関連の高速プレス機の売上増加及び円安影響等により727億42百万円(5.7%増) となった。利益面では、原材料費、外注費、物流費等の原価高騰や一部の大型案件の採算悪化があったものの、増収及び製品 ミックス改善による粗利率改善で、営業利益は36億15百万円(134.7%増)、経常利益は35億95百万円(110.2% 増)、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産の売却益等により28億08百万円(116.8%増)となった。

 アイダ2024年3月期通期データ

 2023年度における世界経済は、供給制約の改善が進むなか、堅調な米国が牽引する形で全体として緩やかな成長基調にあるが、各国の金融引き締めや、欧州・中国経済の減速が全体の下押し要因となっている状況。また、米中対立に加えウクライナ危機や中東紛争等の地政学的要因も更なる下振れリスクとなっている。

 鍛圧機械製造業界は、国内需要は堅調なものの、輸出が落ち込み、2023年度の受注は前期比 2.4%減の1,496億53百万円(一般社団法人日本鍛圧機械工業会プレス系機械受注額)となった。

■セグメントごとの経営成績
日 本:プレス機械、サービスともに売上が堅調に推移し、売上高は429億04百万円(3.0%増)となり、 セグメント利益は原材料費増加や一部の大型案件の採算悪化があったものの、増収と製品ミックス改 善等により11億12百万円(144.1%増)となった。

中国:個別プレス機と高速プレス機を中心にプレス機械売上が堅調に推移し、売上高は117億94百万円(7.0%増)となり、セグメント利益は増収効果により7億97百万円(前期は1億49百万円の損失)となった。

アジア:サービス売上の増加及び円安の影響により、売上高は108億36百万円(1.5%増)となり、セグメ ント利益は製品ミックスの改善等により11億93百万円(31.2%増)となった。

米 州:高速プレス機の売上が伸びたものの個別プレス機の売上が減少し、売上高は160億41百万円(4.5 %減)となった。セグメント利益は製品ミックスの改善により3億97百万円(38.8%増)となった。

欧 州:高速プレス機とサービス売上の増加及び円安の影響により、売上高は165億06百万円(28.3% 増)となり、セグメント利益は増収効果により2億93百万円(29.3%増)となった。

■今後の見通し
 次期の見通しについては、売上高は740億円(以下、前期比1.7%増)、営業利益は57億円(57.7%増)、経常利益は58億円(61.3%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益は42億円(49.6%増)を予想している。

 アイダエンジニアリングの2024年3月期決算短信
 決算説明資料