日立建機、油圧ショベル1台で多用途に活用できるアタッチメント着脱システム「P-Line」を国内で受注開始

・運転席に居ながら1人でアタッチメントを交換可能、施工現場の安全性や生産性の向上に貢献

 日立建機は5月15日、油圧ショベル1台で多用途に活用できるアタッチメント着脱システム「P-Line(ピーライン)」を、日本国内向けに2024年10月から受注開始すると発表した。対象となる機種は、1.7~40tクラスの油圧ショベル。都市土木、解体、管工事など幅広い業種からの需要が見込まれる。

 P-Lineを活用することで、オペレーターは運転席に居ながら1人でアタッチメントを交換し、従来、複数の機械や人が行っている作業を油圧ショベル1台で行うことが可能になる。これにより、施工現場の安全性や生産性の向上に貢献する。

 例えば、都市部の道路工事では、土砂の掘削・根切り・管の敷設・埋め戻し・締固めなどの作業を行う際、油圧ショベルのほかに複数の機械を用いて施工する。本来、油圧ショベルはアタッチメントを交換して多様な施工が可能。アタッチメントの交換時に油圧ショベルとアタッチメントをつなぐピンや油圧配管の着脱などの手作業が発生するため、多くの時間と労力が必要で、安全性と生産性の面で課題があった。

 日立建機グループでは、持分法適用会社KTEG GmbH*1(本社:ドイツ連邦共和国ヘッセン州シュトックタット・アム・ライン、/以下、KTEG社)が開発したP-Lineを、2023年10月から欧州で販売している。今後、日本市場でも生産性向上のために需要が見込まれることから、施工現場のプロセスを最適化するソリューションとして日本国内向けにも展開する。

*1:日立建機と欧州代理店Kiesel GmbHの子会社Kiesel Technology GmbH(キーゼル・テクノロジー社)が共同で出資している開発会社

 P-Lineは、油圧ショベル、アタッチメント、旋回機能付き完全油圧式クイックカプラ*2、アタッチメント自動認識装置などの組み合わせで構成しており、顧客の業種に応じて自由に組み合わせることが可能。オペレーターは、運転席に座ったまま、数十秒ほどでアタッチメントを付け替えることができるため、交換作業の時間短縮と労力の軽減に寄与する。また、クイックカプラに旋回装置が備わっている為、すべてのアタッチメントが360度の回転操作が可能。そのため、さまざまな角度の施工面の作業にも対応できるため、標準モデルの油圧ショベルよりも広い範囲を施工することができる。

 さらに13t以上のクラスでは、アタッチメントに最適な油圧の圧力や流量などの情報を登録したICタグを取り付けて、Bluetoothで運転室内のモニターと接続する。これにより、従来オペレーター自身で設定していた各アタッチメントの最適な油圧の圧力・流量調整を自動かつ適切に設定できるため、オペレーターの油圧設定の手間の削減、機械の故障リスクの低減に寄与する。

*2:アタッチメント交換時、車体へのアタッチメント本体の装着と油圧配管の接続を同時に行うことができ、施工時はアタッチメントを360度回転することができる装置。

 なお、日立建機は、第6回建設・測量生産性向上展「CSPI-EXPO」(2024年5月22日(水)~24日(金)、場所:千葉県・幕張メッセ)においてP-Lineを展示する予定。

 日立建機グループは、これまでも、顧客の身近で頼りになるパートナーとして、社会課題を解決するソリューション「Reliable Solutions」の実現に取り組んできた。今後も顧客と協創し、顧客の課題解決に向けてチャレンジしていく。

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