・産業機械部門の売上は2.8%増の2,084億円、営業利益は7.7%増の204億円
㈱日本製鋼所が5月10日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、受注高は、産業機械事業及び素形材・エンジニアリング事業が共に増加したことから、3,349億14百万円(以下、前期比21.3%増)、売上高は、産業機械事業及び素形材・エンジニアリング事業が共に増加したことから、2,525億1百万円(5.8%増)となった。損益面では、営業利益は180億14百万円(30.1%増)、経常利益は199億 45百万円(33.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、子会社である日本製鋼所M&E 株式会社の業績回復に伴う同社繰延税金資産の計上等もあり、142億78百万円(19.2%増)となった。
2023年度における同社グループを取り巻く経営環境は、産業機械事業では、全般に需要は底堅く、期末では過去最高の受注残高となった。但し、成形機の市況回復遅れが海外を中心に長期化したほか、樹脂製造・加工機械では中国経済減速等の影響を受けた。素形材・エンジニアリング事業では、多様なエネルギー関連投資の高まりを背景に、素形材製品の安定した需要が継続するなど、総じて堅調に推移した。
このような状況のもと、同社グループは2021年5月に策定した2026年3月期を最終年度とする5カ年の中期 経営計画「JGP2025」に沿って事業活動を推進した。また、2024年3月期においても、産業機械事業、素形材・エンジニアリング事業とも、新規需要開拓、製品付加価値向上や競争力強化とともに、顧客の理解を得ながら販売価格改善に向けた活動に取り組んだ。
■セグメント別業績
<産業機械事業>
受注高は、樹脂製造・加工機械において機能材・包材向けのフィルム・シート製造装置が減少したものの、防衛関連機器等が増加したことから、2,774億18百万円(19.0%増)となった。
売上高は、樹脂製造・加工機械において造粒機や二軸混練押出機等が増加したことから、2,083億68百万円(2.7%増)となった。営業利益は、販売価格の改善効果と売上高が増加したことから、204億12百万円(7.7%増)となった。
<素形材・エンジニアリング事業>
受注高は、素形材製品が増加したことから、553億5百万円(34.4%増)となった。 売上高は、素形材製品が増加したことから、419億11百万円(23.4%増)となった。営業利益は、販売価格の改善効果と売上高が増加したことに加え、操業の増加もあり、32億26百万円(前期は営業損失8億44百万円)と大きく改善した。
<その他事業>
受注高は21億90百万円(20.5%増)、売上高は22億21百万円(23.2%増)、営業利益は63百万円(前期は営業損失 4億18百万円)となった。
■今後の見通し
同社グループを取り巻く経営環境は、産業機械事業では、低炭素社会の実現、省エネルギー化に向けた動きや、プラスチック資源循環社会に不可欠な3R+Renewableを実現する技術へのニーズの高まりから、各種プラスチック 加工機械の需要増加が見込まれる。また、昨今の国の防衛力強化方針のもと、防衛関連機器の需要拡大も見込まれる。
素形材・エンジニアリング事業では、多様なエネルギー関連投資の高まりを背景に、引き続き発電機器向け等、素形材製品の安定的な需要が見込まれる。
2025年3月期の連結業績見通しについては、受注高3,750億円(12.0%増)、売上高2,650億円(4.9%増)、営業利益200億円(11.0%増)、経常利益205億円(2.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益155億円(8.6%増)を予想している。
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