古河機械金属が5月13日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、売上高は、1,882億55百万円(前期比259億34百万円減)、営業利益は、85億24百万円(前期比5億7百万円減)となった。産業機械部門およびユニック部門は減収減益、 ロックドリル部門は増収増益となり、機械事業全体では、増収減益となった。
素材事業では、金属部門は減収増益、電子部門は減収減益、化成品部門は増収増益となり、全体では減収増益となった。また、不動産事業は減収減益となった。営業外収益に為替差益11億62百万円ほかを計上した結果、経常利益は、103億84百万円(前期比10億36百万円増)となった。特別利益に、古河大阪ビルの跡地その他の土地の共有持分の一部を譲渡し たことを主とした、固定資産売却益134億33百万円、投資有価証券売却益26億59百万円ほかを計上し、特別損失に Cariboo Copper Corp. (ジブラルタル銅鉱山(カナダ)の権益の25%を保有)株式譲渡に伴う関連会社投融資整理 損20億58百万円ほかを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、160億97百万円(前期比98億85百万円 増)となった。
うち、産業機械、ロックドリルおよびユニックの機械事業の合計売上高は、820億85百万円(前期比4億27百万円増、0.5%増)、営業利益は、56億96百万円(前期比3億97百万円減、6.5%減)となった。
<産業機械>
産業機械部門の売上高は、155億48百万円(以下、前期比23億94百万円減)、営業利益は、3億89百万円(11 億25百万円減)となった。期末の受注残高は、八王子南バイパス大船寺田高架橋やトンネル工事向け掘削土 砂搬送設備、ダム新設工事向け骨材搬送設備などの受注があり、前期末に比べ増加した。売上高については、 マテリアル機械は、前期並みの売上高となりましたが、ポンプ設備および環境製品は、減収となった。コント ラクタ事業は、清水IC第3高架橋鋼上部工事やトンネル工事向け掘削土砂搬送設備などについて、出来高に対応した 売上高を計上し、増収となった。営業利益については、マテリアル機械においてプラント工事の遅延等に伴う 追加原価の発生があり、減益となった。
<ロックドリル>
ロックドリル部門の売上高は、386億82百万円(29億30百万円増)、営業利益は、41億48百万円(11億17百万円増)となった。国内については、油圧クローラドリルなどの補用部品の出荷増や整備事業の受注増により、増収となった。海外については、北米向け油圧ブレーカおよび油圧クローラドリルの出荷が好調だったことに加え、中近東やアフリカ向け油圧クローラドリルの出荷が増加した結果、円安による増収効果もあり、増収となった。
<ユニック>
ユニック部門の売上高は、278億53百万円(1億8百万円減)、営業利益は、11億58百万円(3億 89百万円減)となった。国内については、トラックの生産遅延が回復傾向となり、前期と比べトラック供給台 数が増加したことにより、ユニッククレーンの出荷が増加し、増収となった。一方で、鋼材など原材料価格の 高騰等に対して、値上げ前の製品の出荷が続いた結果、原価率が悪化し、減益となった。海外については、中 国、東南アジア、欧州などへの出荷が減少し、減収となった。
■次期の見通し
2025年3月期通期の業績予想については、売上高は2023年度に比し、5億55百万円減収1,877億円、営業利益は、1億75百万円増益の87億円となる見込み。うち機械事業部門は、前年度比6.8%増の877億円の見込み。
産業機械部門は、ベルトコンベヤ需要の増加を見込む大型プロジェクトのほか、ポンプおよびポンプ設備、マテリアル機械、橋梁において増収となる見込み。全体としては、売上高は増収となり、営業利益も、増益とな る見込み。
ロックドリル部門は、国内については、レンタル向け油圧ブレーカの買い控え基調は底を打ったと予想するものの、海外については、2023年度に特に販売が好調だった米国を中心に需要が一巡することから、大幅な減収となる見 込み。全体としては、売上高は、減収となり、営業利益も、減益となる見込み。
ユニック部門は、国内については、トラック生産の増加とともに出荷が増え、ユニッククレーンの受注も増加す ることを予想し、増収となる見込み。海外については、欧米、東南アジア、中東での販売強化による増収を見込む。全体としては、売上高は、増収となり、営業利益は、増収に加え、値上げ前の製品の出荷が一巡するこ とから、増益となる見込み。
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