新明和工業が5月7日に発表した2024年3月期(2023年度)連結業績によると、受注高は291,370百万円(前年度比9.1%増)、売上高は257,060 百万円(同14.2%増)となった。増収に伴い、営業利益は11,765百万円(同26.6%増)、経常利益は12,106百万円(同22.3%増)となったが、特別利益の減少と税金費用の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は7,279百万円(同0.5%減)となった。
2023年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の長期化や不安定な中東情勢などの影響による原材料・エネルギー価格の高騰や、為替相場の急変動など、依然として先行き不透明な状況が続いている。また、コロナ禍を経て、経済活動の正常化が進む一方、さらなる価値観の多様化や、企業と従業員の関係性、働く環境にも変化が起きている。
新明和工業グループは、2030年を志向した長期経営計画[SG-Vision2030]のPhase1に当たる、中期経営計画[SG-2023]の最終年度を迎え、企業価値向上に向けた諸施策を推進した。
■セグメント別経営成績の概要
(特装車)
車体等の製造販売は、受注は減少し、売上は増加した。また、保守・修理事業は、受注、売上ともに増加した。このほか、林業用機械等も、受注、売上ともに増加した。
この結果、同セグメントの受注高は106,773百万円(前年度比6.5%減)、売上高は100,523百万円(同10.1%増)となり、営業利益は2,313百万円(同226.9%増)となった。
(パーキングシステム)
機械式駐車設備は、受注、売上ともに増加した。また、航空旅客搭乗橋も、受注、売上ともに増加した。
この結果、同セグメントの受注高は54,360百万円(前年度比36.2%増)、売上高は41,338百万円(同7.0%増)となり、営業利益は2,765百万円(同2.9%増)となった。
(産機・環境システム)
メカトロニクス製品は、真空製品の受注が減少したものの、売上が増加した結果、分野全体でも受注は減少し、 売上は増加した。
また、環境関連事業は、受注、売上ともに増加した。
この結果、同セグメントの受注高は52,600百万円(前年度比7.8%増)、売上高は42,985百万円(同28.6% 増)となり、営業利益は3,359百万円(同14.9%増)となった。
(流体)
海外の需要が堅調に推移し、受注及び売上が増加した結果、当セグメントの受注高は26,344百万円(前年度比4.7%増)、売上高は26,330百万円(同7.5%増)となり、営業利益は4,103百万円(同4.8%増)となった。
(航空機)
防衛省向けは、受注、売上ともに増加した。また、民需関連も、受注、売上ともに増加した。
この結果、同セグメントの受注高は32,690百万円(前年度比35.2%増)、売上高は31,915百万円(同37.9%増)となり、営業利益は2,187百万円(同56.5%増)となった。
(その他)
建設事業において、受注が増加したものの、売上が減少した結果、同セグメントの受注高は18,600百万円(前年度比24.4%増)、売上高は13,968百万円(同1.6%減)となり、営業利益は667百万円(同9.7%減)となった。
■ 今後の見通し
新明和工業グループは、長期経営計画[SG-Vision2030]のPhase2に当たる、新たな中期経営計画[SG-2026]を策定し別途公表した。2024年度から2026年度を計画期間とする3カ年の本計画に基づき、 企業価値の向上に向けた諸施策を着実に実践・遂行していく。[SG-2026]の初年度となる2025年3月期の業績見通しについては、売上高285,000百万円(前年度比10.9%増)、営業利益13,000百万円(同10.5%増)、経常利益12,200百万円(0.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,500百万円(同3.0%増)、1株当たり当期純利益113円69銭となる見通 し。
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