日立エナジー、フィンランドとエストニアを結ぶ HVDC 連系線の制御システムの更新を受注

 日立エナジーは3月1日、フィンランドとエストニアを相互連系する HVDC 連系線「エストリンク 1」の制御システムの更新を受注したと発表した。受注は、日立エナジーのデジタル制御プラットフォーム「MACH™*1」への更新。エストリンク 1 は、フィンランドの国営送電事業者フィングリッドとエストニアの国営送電事業者エラリングが 2007年に設置した HVDC 連系線で、日立エナジーが変換所設備を提供した。HVDC 技術により、非同期であるため通常は不可能な、両国の送電網の連系を実現している。両国を 105km にわたる地下・海底ケーブルで結び、効率的な送電を行っている。今回の更新は、エストリンク 1 の制御・保護機能を強化するとともに、欧州の電力市場の信頼性・可用性向上に貢献する。
*1 MACH™制御・保護システム | 日立エナジー(hitachienergy.com)

 今回の受注は、革新的かつ信頼性の高いエネルギーサービスソリューションを提供してきた日立エナジーの実績によるもの。また、日立エナジーが信頼できる長期的なパートナーであることを強く示している。

 日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員のニクラス・パーソン氏は、「日立エナジーの送電システムは、数十年にわたりバルト海沿岸地域の電力安定供給に貢献してきました。今回、最先端の制御システムとサービスソリューションの提供により、HVDC システムの安定運用を支援できることを誇りに思います。約 70 年の経験に基づく当社のサービスは、HVDC システムの長寿命化を支援するとともに、可用性と信頼性をさらに向上させます。」と述べている。

 エラリングの取締役会長のカレ・キルク氏は、「エラリングは、エストニアの人々に高品質のエネルギーを供給することを責務としており、他の送電事業者や欧州の電力市場と連携しています。エストリンクは、その責務を果たすための重要な設備です。電力供給の安定性を確保する際、エストニア単独ではなく、地域全体で考える必要があり、諸外国のパートナーとの連携が重要です。また、電力市場が大きければ大きいほど、エストニアの人々に適切な価格で電力を届けることができます。」と述べている。

 フィングリッドの HVDC&FACTS*2 部門責任者であるキンモ・ネポラは、「エストリンクのような国境を越えた連系線は、厳しい冬でも、当社の電力システムの安定運用と、健全な電力市場を支える役割を果たします。エストリンク 1 には、電力システムの長期にわたる運用を支援する、アップグレードされた制御機能が適
用されます。」と述べている。

*2 Flexible Alternating Current Transmission Systems
エストリンク 1 のルート

 日立エナジーは、エネルギー転換は既存のインフラから始まると考えている。日立エナジーは 1 世紀にわたり培ってきた経験と専門知識を活用して、顧客の資産のライフサイクル全体を支援する優れたサービスソリューションを提供し、強靭なオペレーションに貢献する。また、ポートフォリオ全体の各プロセスにおける専門的な知見の提供を通して、顧客の現在と将来の両方のニーズに対応し、持続可能かつ安全なエネルギーの未来の実現を支援していく。

■日立エナジーの HVDC について
 日立エナジーの HVDC ソリューションは、HVDC 変換バルブおよびデジタル制御プラットフォーム MACH™*2、変換用変圧器、高電圧開閉装置、システム調査、設計・エンジニアリング、供給、据付管理、試運転に関する世界トップレベルの専門知識を結集したもの。

 HVDC Light®は、日立エナジーが開発した変換技術で、変換所がコンパクトかつ電力損失が極めて低いという特長を有しており、各国送電網の相互連系、再生可能エネルギーの連系、陸上から洋上への電力供給など、多くの場面で活用されている。

 日立エナジーは、70 年前に商用 HVDC 技術を開発した。それ以来、世界の HVDC プロジェクトの半分以上を納入するなど、HVDC において世界最多*3 の納入実績を有している。

*3 日立エナジー調べ(2024 年 2 月 29 日時点)

■日立エナジーについて
 日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダー。さまざまな分野の顧客に、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供するとともに、顧客やパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デジタル技術を活用した変革を実現する。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進めている。また、日立エナジーはこれまで合計 150GW 以上の高圧直流送電(HVDC)システムを提供しており、より多くの風力発電や太陽光発電の導入が可能となるよう支援している。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界 90 カ国に 40,000 人以上の従業員を擁しており、140 カ国以上の導入実績と、1 兆円を超える事業規模を有している。
詳しくは、ウェブサイト(https://www.hitachienergy.com/jp/ja)を参照。

■日立エナジー関連リンク
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■日立製作所について
 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進している。
 顧客の DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じて顧客や社会の課題を解決する。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、顧客との協創で成長をめざす。2022 年度(2023 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 8,811 億円、2023 年 3 月末時点で連結子会社は 696 社、全世界で約 32 万人の従業員を擁している。
詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。

■日立グループ パワーグリッドポータルサイト
https://www.hitachi.co.jp/products/energy/pg/

 

 ニュースリリース
 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。