古河機械金属グループの中核事業会社で、ユニック部門を担う古河ユニック(東京都千代田区)は電動モデルのラインナップ拡充を目的として、本田技研工業が開発の交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック※1)」をミニ・クローラクレーン※2に搭載したと発表した。この電動モデル(プロトタイプ)は、本田技研工業が出展する展示会(2月28日から3月1日)で公開された。
古河ユニックは、2016年に液式鉛バッテリーを搭載したミニ・クローラクレーン(電動モデル)を業界に先駆けて国内市場に導入して以降、AGMバッテリー※3やリチウムイオンバッテリー※4を搭載のミニ・クローラクレーン(電動モデル・非乗車型)を開発するなど、作業者や作業環境の負荷低減に向けた製品開発を積極的に取り組んできた。今回は、ミニ・クローラクレーンの電動モデルシリーズ拡充を図るべく、本田技研工業のモバイルパワーパックの採用による電動化に着目した。
モバイルパワーパック搭載のミニ・クローラクレーン電動モデル(プロトタイプ)は、充電されたモバイルパワーパックを差し込むことで走行・クレーン作業を可能にし、モバイルパワーパックを活用する様々な建設機械や機材とのバッテリー相互使用もできることから、エネルギー供給の容易化を実現する。
古河ユニックは、引き続きミニ・クローラクレーン電動モデルの開発を進め、2025年度中のモバイルパワーパック搭載機の製品化と市場投入を目指していく。また、今後も顧客のニーズに応える製品の開発・提供に加え、カーボンニュートラルの実現に向けた製品の開発・提供にも一層注力していく。
※1:本田技研工業が開発した着脱式可搬バッテリー。本田技研工業ではモバイルパワーパックを動力用電源に使用した、法人向けのビジネス用電動二輪車、三輪スクーターを「Honda e: ビジネスバイク」シリーズとして展開している。
※2:クローラによる走行機能を有し、コンパクトなボディに4本のアウトリガを装備した移動式クレーン。トラックが入り込めない建設現場や不整地、屋内作業現場でのクレーン作業が可能で、室内ドアより幅が狭く限られたスペースへの搬入ができる非乗車型モデル、環境に配慮した排気ガスゼロの電動モデルなど充実のラインナップで、幅広い作業に対応している。
※3:AGM は Absorbent glass mat(吸着ガラスマット型)の略で、電解液をスポンジ状のガラスマットに浸み込ませたバッテリー。
※4:リチウムイオンバッテリー仕様は海外向け機種のみ設定。
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