㈱荏原製作所（以下：荏原）は2月28日、米国ニュージャージー州に本社をおくOishii Farm Corporation（以下：Oishii Farm社）のシリーズBラウンドに出資を行ったと発表した。Oishii Farm社は日本の農業技術とテクノロジーを活用した革新的植物工場で、いちごをはじめとした農作物の生産・販売に取り組むベンチャー企業。
■背景と狙い
荏原は長期ビジョン「E-Vision2030」で掲げる重要課題で、水や食べものに困らない世界を支え、持続可能な社会の実現に貢献することを目指している。そのために、外部パートナーと連携し荏原の既存技術の新規分野への転用による新規事業の創出を通じて、今後世界で予想される気候変動リスクや人口増・食料不足、農業従事者が抱える課題の解決に取り組んでいる。
■概要
2050年には世界の人口が100億人に達し、エネルギー、飼料、土地、水、食糧などの枯渇が懸念されるなか、Oishii Farm社は、技術的に最も難易度が高い農作物と言われるいちごを、蜂による自然受粉を用いることで、自動化を伴う完全閉鎖型の植物工場において世界で初めて安定生産することに成功している。同社は、栽培する植物に合わせて水・CO2・温度・光・栄養といった要素を適切にコントロールすることにより、再生可能エネルギーの最適利用、節水、無農薬を実現しながら、年間を通して旬の農作物を消費者に届けている。Oishii Farm社が有する植物工場の運営ノウハウと、荏原が強みとする水・省エネルギー・熱マネジメントの技術とものづくり力を融合し、一次産業の二次産業化（周囲環境に左右されにくい屋内型植物生産工場）の実現と拡大を進めていく。
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていく。