川崎重工と仏シンビオ、 「燃料電池システムの共同開発に関する覚書」を締結

・建設機械を含むモビリティ向け燃料電池システムの開発を目指す

 川崎重工業Symbio(シンビオ)は2月28日、「建設機械を含むモビリティ向け燃料電池システムの共同開発に関する覚書」を締結したと発表した。

 覚書により、川崎重工の建設機械分野でのネットワークや高圧水素ガスバルブにおける開発・製造の経験と、シンビオの自動車向け燃料電池のノウハウを活用して、建設機械を含むモビリティ向け燃料電池システムの開発を目指す。また、建設機械や潜在顧客が計画するさまざまなモビリティソリューション など、自動車以外の分野での燃料電池システムの応用も検討していく。双方の豊富な経験と技術に より、効率的で低炭素な燃料電池システムの開発を進める。

 川崎重工は、1960 年代に国産初の油圧ショベル用油圧機器を開発・納入して以来、多くの建設機械メーカーに建設機械用油圧製品が採用されている。更に近年では、燃料電池車用高圧水素ガスバルブを開発し、産業車両メーカーや海外大手自動車メーカー向けに量産を実現している。

 シンビオは、燃料電池システム開発における30年以上の経験と、主要な自動車 OEM への燃料電池システムの供給実績があり、小型車、商用中型車、大型車およびその他のモビリティ用途向けの水素燃料 電池システムのリーディングカンパニー。

 今後両社は、覚書により水素事業への取り組みをさらに加速し、世界のカーボンニュートラル目標の達成と持続可能な未来に向けた世界の脱炭素化に貢献していく。

■川崎重工について
 川崎重工は、陸・海・空にわたる製品を125 年以上製造している総合重工メーカーです。当社は、グループビジョン 2030「つぎの社会へ、信頼のこたえを~Trustworthy Solutions for the Future~」 を制定し、社会課題の解決に向けて「安全・安心な遠隔接続社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・ 環境ソリューション」の3つの分野に注力しています。特に「エネルギー・環境ソリューション」に関し ては、 サプライチェーン全体(つくる、はこぶ、ためる、つかう)に必要な技術を世界に先駆けて確保 し、使用時に二酸化炭素を排出しない究極のクリーンエネルギーである水素活用社会の実現を目指し ます。

■シンビオについて
 シンビオは、持続可能なモビリティのパイオニアにとって、技術および産業をリードするパートナーです。
 ゼロエミッション水素モビリティのフロントランナーであるシンビオは、業界のリーダーシップ、 画期的なイノベーション、起業家の機敏性を組み合わせて、オーダーメイドのソリューションを作成し、 クライアントのクリーンモビリティロードマップの展開をサポートします。 シンビオは、オンロード およびオフロードの水素モビリティのパワー、耐久性、自律性のすべてのニーズを満たす、幅広いスタッ クパック (統合済みおよび検証済みの燃料電池システム) を設計および製造しています。
 シンビオは 2023 年に、年間 50,000 台の燃料電池システムの生産能力を持つヨーロッパ最大の統合型 燃料電池ギガファクトリーである SymphonHy を開設しました。 同グループは、環境と健康の両方に 配慮したクリーンモビリティの展開を加速するため、2030 年までに年間 20 万台のスタックパックを 製造することを目指しています。フォービア、ミシュラン、ステランティスが折半出資する合弁会社で あるシンビオは、30 年の経験を結集し、そのソリューションによって 800 万キロ以上を走行した実績 があります。

 ニュースリリース
 *リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。