・Alatとソフトバンクグループがサウジアラビア王国における革新的産業用ロボット製造のための戦略的パートナーシップを組成
Alatとソフトバンクグループは2月20日、サウジアラビア王国における革新的な産業用ロボットを製造する次世代産業オートメーション事業の立ち上げに関する戦略的パートナーシップをソフトバンクグループ(SBG)と組成したことを発表した。
Alatは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相により2024年2月1日に設立されたPIF傘下企業で、同氏が取締役会長を務める。リヤドに本拠を置くAlatは、エレクトロニクスと先端産業セグメントにおけるグローバルチャンピオンの創出を目指し設立され、グローバルなイノベーションとテクノロジー・リーダーシップによってワールドクラスの製造業を生み出すことを使命としている。1,000億米ドルの投資予算を原資に、世界のテクノロジー・リーダーと提携し、クリーンエネルギーを動力源とするワールドクラスのビジネスを王国で確立し、産業を変革していく。
製造業の抜本的変革のため、Alatは、製造・組立工程で幅広く用いられる産業用ロボットを製造するジョイントベンチャーをSBGと設立する。両社は最大1億5,000万米ドル(約225億円、150円換算)を投資し、ローカルおよびグローバルのニーズに対応する完全自動化された製造・エンジニアリングのハブ拠点をリヤドに設立する。最初の工場は2024年12月の開業を目指している。
Alat CEOのAmit Midha氏は、次のように述べている。
「この取り組みが世界中の製造業に変革をもたらす起点となることを望んでいます。私たちは、ソフトバンクグループとともに王国内、湾岸諸国、そしてグローバルで、ロボティクスに大きな市場機会を見出しており、2025年までにサウジアラビアのGDPに10億ドルの貢献ができると見込んでいます。王国で造られるロボットが、製造業を根本的に変革することを目指しています」
SBG 代表取締役 会長兼社長執行役員の孫 正義氏は次のように述べている。
「サウジアラビアのビジョン、経済成長、豊富なグリーンエネルギーへのアクセスを備えた主要物流拠点に加え、サステナブルな製造というAlatの使命が相まって、両社の戦略的パートナーシップは非常に魅力的なものとなりました。本日の発表は、将来の製造業のあり方において歴史的な節目となるものです」
この新ジョイントベンチャーは、SBGおよび関連企業が開発した知的財産をベースに、産業用ロボットを製造する。このロボットは、必要最低限の追加プログラミングでタスクを実行でき、産業組立や、製造・生産分野での活用に最適なものとなる。王国に設立される新工場は、最新技術を駆使した革新的なモデル工場として、多岐にわたるタスクに対応可能な、これまでにない次世代ロボットを製造する。
サウジアラビアの広範なインフラ投資は、2030年までに同国の第4次産業革命アプリケーションの採用を加速し、サプライチェーンと物流を強化する基盤となる。2035年までに、クリーンエネルギーを動力源とする、最先端技術を実装した約3万2,000もの工場が稼働すると見込まれている。サウジアラビアは、1日あたりの日射量が約105兆kWhと世界最大規模であり、これはエネルギーに換算すると原油100億バレルに相当する。Alatは、持続可能性をすべての中核に据え、製造業の変革に注力し、カーボンゼロ製造の実現を目指す。
■Alatについて
Alatは、グローバルな産業(エレクトロニクスおよび産業機械)を変革し、クリーンエネルギーを動力源として王国内にワールドクラスの製造ハブ拠点を創出することで、より良い明日を築くことを目指している。サステナブルな製造業を実現し、グローバル企業の排出量削減とカーボンゼロ製造業への移行を支援する。Public Investment Fundが設立したAlatは、経済多様化、産業の発展、イノベーション、雇用創出などに関するビジョン2030の目標達成に必要不可欠な存在。
Alatの目標は、グローバル企業が豊富なグリーンエネルギー資源、王国特有の立地、テクノロジーへの投資などの恩恵を受けながら、王国でサステナブルな製造ソリューションを確立すること。立ち上げ時の主な戦略事業分野は、半導体、スマート・デバイス、スマート・ビルディング、スマート家電、スマート医療、先端産業、次世代インフラとテクノロジー。詳細は www.alat.com を参照。