特別損失は主に、開発を進めていた基幹システムの開発計画の変更 によって、ソフトウェア資産(建設仮勘定)の資産性を再検討した結果、減損損失として115億円計上したもの。また、連結子会社である住友建機(唐山)有限公司において、中国における事業環境の変化によ り、当初予定していた収益が見込めなくなったため、同社が保有する固定資産69億円について、減損損失として 計上したもの。また、ROICは7.0%となった。
このような経営環境のもと、同社グループは「中期経営計画2023」を推進し、製品・サービスによる社会課題解決を通じて持続的に企業価値を拡大することをめざし、強靭な事業体の構築、企業価値向上のための変革、 SDGsへの貢献拡大及び環境負荷低減への取組み強化などの施策を推進した。
■セグメント別の状況
①メカトロニクス
中小型の減・変速機やモータの需要が、欧米での顧客の在庫調整の影響や、中国での市況の低迷により停滞 したことから受注は減少した。一方、受注残があったこともあり、売上、営業利益ともに増加した。
この結果、受注高は1,978億円(調整後前期比10%減)、売上高は2,200億円(調整後前期比11%増)、営業利益 は124億円(調整後前期比35%増)となった。
②インダストリアルマシナリー
プラスチック加工機械事業は、中国では電気電子関連の需要が停滞し、国内や欧州においても投資の冷え込みにより受注、売上、営業利益は減少した。その他の事業は、半導体市況軟化に伴う顧客の在庫調整や投資先送りの影響などを受け、受注は減少したが、受注残があったこともあり、売上、営業利益ともに増加した。
この結果、受注高は2,650億円(調整後前期比19%減)、売上高は2,798億円(調整後前期比6%増)、営業利益は256億円(調整後前期比3%減)となった。
③ロジスティックス&コンストラクション
油圧ショベル事業は、米国での前期の先行発注の反動減などにより受注は減少したものの、受注残があったこともあり売上、営業利益ともに増加した。その他の事業では、建設用クレーン事業が、北米の需要が底堅く推移したことから受注、売上ともに増加した。営業利益は固定費の増加などにより前期並みとなった。また、運搬機械事業は、港湾クレーンでの大型案件があったことから受注は増加したものの、当期売上対象となる案件が少なかったことから売上、営業利益とも減少した。
この結果、受注高は3,936億円(調整後前期比5%減)、売上高は3,934億円(調整後前期比10%増)、営業利益 は281億円(調整後前期比70%増)となった。
④エネルギー&ライフライン
エネルギープラント事業は、国内のバイオマス発電設備の大型案件の減少により受注、売上は減少したものの、欧州での大型プロジェクトにおける不採算案件の減少などにより営業利益は増加した。 その他の事業は、前期に実施した一般廃棄物処理事業の譲渡の影響などにより受注、売上、営業利益とも減少した。
この結果、受注高は1,463億円(調整後前期比25%減)、売上高は1,822億円(調整後前期比6%減)、営業利益 は63億円(調整後前期比13%増)となった。
⑤その他
受注高は調整後前期並みの60億円、売上高は61億円(調整後前期比9%増)、営業利益は19億円(調整後前期比11%減)となった。
■今後の見通し
現時点での2024年12月期の業績見通しは、以下のとおり。
売上高1兆1,100億円(前期比2.6%増)、営業利益700億円(同5.9%減)、経常利益660億円(同6.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益410億円(同25.2%増)。
為替レートは1ドル=135円、1ユーロ=148円を前提としている。