井関農機、23年売上は2.0%増の1,699億円、24年予想は横ばいの1,700億円

 井関農機が2月14日に発表した2023年12月期(1~12月)連結業績によると、売上高は、前期比3,286百万円増加し、169,916百万円(前期比2.0%増加)となった。国内売上高は前期比422百万円増加の113,060百万円(前期比0.4%増加)となった。農機製品は需要の減少を受けたが、収支構造改革の柱である補修用部品及び修理整備等のメンテナン ス収入や施設工事の伸長により、国内売上高全体では増加となった。
 海外売上高は前期比2,864百万円増加の56,855百万円(前期比5.3%増加)となった。北米はコ ンパクトトラクタ市場の調整局面が継続いたが、欧州では値上げ後も小売店の需要が堅調に 推移したことに加え、前年下期よりIseki-Maschinen GmbHを連結子会社化したこともあり増加と なった。アジアでは中国向け生産用部品は出荷増も、米価低迷などにより韓国向け製品は出荷減となった。

 営業利益は前期比1,280百万円減少の2,253百万円(前期比36.2%減少)となった。価格改定 効果などにより売上総利益は増加したものの、販管費の増加があった。経常利益は前期比1,669百万円減少の2,092百万円(前期比44.4%減少)となった。税金等調整前当期純利益は前期比3,356百万円減少の1,900百万円(前期比63.8%減少)となった。前期に計上した持分変動利益や段階取得に係る差益の剥落などがあった。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比4,090百万円減少の29百万円(前期比99.3%減少) となった。

 井関農機2023年通期データ

■商品別の売上状況
〔国内〕
 整地用機械(トラクタ、耕うん機など)は22,083百万円(前期比3.6%減少)、栽培用機械(田植 機、野菜移植機)は7,235百万円(前期比8.5%減少)、収穫調製用機械(コンバインなど)は15,741 百万円(前期比2.2%減少)、作業機・補修用部品・修理収入は42,506百万円(前期比1.1%増加)、 その他農業関連(施設工事など)は25,493百万円(前期比7.5%増加)となった。

〔海外〕
 整地用機械(トラクタ、芝刈機など)は39,401百万円(前期比4.1%減少)、栽培用機械(田植機など)は1,828百万円(前期比24.6%増加)、収穫調製用機械(コンバインなど)は1,358百万円(前期比 27.3%減少)、作業機・補修用部品・修理収入は6,398百万円(前期比30.8%増加)、その他農業関 連は7,869百万円(前期比67.9%増加)となった。

■今後の見通し
 2024年12月期の売上高は2023年比84百万円増の170,000百万円(前期比横ばい)を見込んでいる。国内市場では、農業の大規模化やスマート農業化など農業構造の変化が加速している中、これらに対応した商品の増販及び新商品投入効果、価格改定効果などにより増収を見込んでいる。海外市場では、北米で増収、欧州は好調を維持するも、アジアは韓国で現地販売店の一時的な在庫調整影響などにより、海外売上高全体では減収を見込んでいる。営業利益は販管費の増加により当期比253百万円減少の2,000百万円(同11.3%減)を見込んでいる。経常利益は1,000百万円(同52.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は400百万円を見込んでいる。
 業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=140円、1ユーロ=150円としている。

 井関農機の2023年12月期決算短信
 決算補足説明資料