大建工業、新たな音の設計開発拠点「新・音響実験棟(仮称)」を建設

・オフィス市場に向けた「音環境ソリューション事業」に積極活用

 大建工業(大阪市北区)は1月30日、一昨年に40周年を迎えた音響事業の更なる事業強化・拡大を目的に、新たな音響設計の開発拠点となる「新・音響実験棟(仮称)」の建設を決定したと発表した。岡山工場(岡山市南区)の敷地内に約10億円を投資して建設し、2025年10月の運用開始を予定している。

 なお、現在、オフィス等での音環境の改善要望に応える「音環境ソリューション事業」の構想にも着手しており、「新・音響実験棟」の活用も含めた新たな事業展開も検討している。

■背景
 大建工業は、2025年を見据えた長期ビジョン「GP(グロウプラン)25」において、「住宅用建材メーカー」から「建築資材の総合企業」へと成長することを“目指す企業像”として掲げ、住宅市場に留まらず公共・商業建築分野における取り組みを強化している。その中でも、特徴的な取り組みである「音響事業」は1982年より展開し、40年以上に渡り、吸音天井や防音ドアなど、様々な建築音響製品の開発・製造・販売を続けてきた。物件ごとの設計提案や施工時のアドバイス等の技術支援など、住宅市場を中心に様々な顧客の音に対する要望や困りごとの解決に取り組み、ハード(製品)・ソフト(防音設計)の両面から、幅広い提案を行う体制が当社の強みとなっている。

 一方、コロナ禍での在宅時間の増加やリモート会議等の定着化を経て、空間における「音環境の快適性」については、住宅・非住宅を問わず、暮らし全般を通して関心が高まっており、音響事業のさらなる需要拡大が見込まれている。そこで昨年、建築音響製品のパイオニアである大建工業は、顧客の音に関する要望に応えるオフィス市場向けの新たなビジネスとして「音環境ソリューション事業」の構想をスタートさせた。長きに渡り住宅分野で培ってきた音響事業のノウハウを活用し、昨今注目されているWell-beingなオフィス空間作りに貢献するとともに、開発のスピードアップや音響製品の販売機会の拡大を目指していく。

 また、同事業は、重点市場である非住宅分野の拡大にも寄与するビジネスとして、2025年の運用確立に向けて検討を進めているが、円滑に事業を進展させるためには、様々な施設空間に対応できるシミュレーション技術の確立や新たな製品の投入など、更なる「音」の技術開発の向上が不可欠と考えている。

 そこで今回、音響事業の更なる拡大を目指すとともに、同事業にも大きく関連する基幹施設として、建物に関わるあらゆる「音」を総合的に実験・評価し、快適空間を設計・開発する最先端の研究施設「新・音響実験棟」の建設を決定した。

<新・音響実験棟 建設概要>
 新たな設備を導入し、JIS規格に基づく高精度な測定をはじめ、吸音・遮音性能や床衝撃音などの性能値を解析予測するなど、機能・性能の実験・評価を行う。音響製品の更なる拡大に向けて、新たな音響技術の開発や快適な空間設計を促進する施設を目指す。

名称:新・音響実験棟(仮称)
所在地:岡山県岡山市南区海岸通2丁目5番8号
敷地面積:1,170㎡
延床面積:926㎡
着工予定:2024年 8月
竣工予定:2025年10月
稼働開始予定 :2025年10月
投資予定額:約10億円
・建屋、新規設備、インフラ整備の概算額。
・既存設備の移設、解体費用等は含まない。

 なお、正式名称や導入設備等の詳細については、確定次第、改めて発表させて頂く予定。

 ニュースリリース