東洋機械金属が1月25日に発表した2024年3月期第3四半期連結累計期間(2023年4〜12月)の業績によると、海外の射出成形機、ダイカストマシンの需要が減少したことから、受注高は20,074百万円(前年同期比20.7%減)、売上高は21,519百万円(同17.4% 減)となった。
このうち、国内売上高は6,142百万円(同5.2%減)、海外売上高は15,377百万円(同21.4% 減)となり、海外比率は71.5%となった。損益については、売上高減少に伴う売上総利益の減少、部材調達価格の高騰などの影響により、営業損失は276百万円(前年同期は営業利益913百万円)、経常損失233百万 円(前年同期は経常利益1,090百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は、海外子会社で発生した元従 業員による私的流用事案に関する貸倒引当金および特別調査委員会による調査費用を計上したことなどにより、 592百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益259百万円)となった。
2023年4~12月におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響の縮小に伴い、設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど景気は緩やかな回復基調となった。一方、世界経済においては、中国や米国を中心とした海外の景気後退、行き過ぎた円安や金利の高止ま り、物価上昇などの影響により、先行きは不透明な状況で推移した。
東洋機械金属グループの事業に関連する市場においては、国内や海外の一部のエリアにおいての投資意欲が低調だったことや材料価格やエネルギー価格の上昇の影響などにより、厳しい経営環境で推移した。
■製品別の売上の状況
[射出成形機]
受注は国内、海外共に減少した。売上は国内では、工業部品や医療機器関連で減少した。海外では、中 国のIT電子機器や医療関連、米国の生活用品関連が減少した。
この結果、受注高は14,705百万円(前年同期比25.7%減)、売上高は16,198百万円(同20.4%減)となった。このうち、海外売上高は11,580百万円 (同24.0%減)となり、海外比率は71.5%となった。
[ダイカストマシン]
受注は国内、海外共に減少した。売上は国内では、工業部品や自動車関連が増加した。海外では、中国や韓国の自動車関連が減少した。
この結果、受注高は5,368百万円(前年同期比3.0%減)、売上高は 5,321百万円(同6.5%減)となった。このうち、海外売上高は3,797百万円(同12.1%減)となり、海外比率 は71.4%となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
通期の連結業績予想については、前回の通期の業績予想を上回る為替の変動による調達部材やエネルギーの価格高騰が、経営に悪影響をもたらし、損益が悪化することが見込まれる。 引き続き、同社グループは、市場の変化に対してスピード感をもって対応し、新しい付加価値を生み出し、顧客満足度の向上に努めることにより、収益構造の改革による利益の改善に努めていく。また、調達部材やエネ ルギーの価格高騰はリスクを最小限に抑え、来期以降の利益を確保するための必要な対策を講じていく。
この結果、第3四半期連結累計期間の業績および今後の見通しを踏まえ、下記のとおり修正した。
売上高は27,500百万円(前年同期比22.1%減)、営業利益△440百万円、経常利益△400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は△780百万円(ー)を見込んでいる。
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