ファナックが1月26日に発表した2024年3月期第3四半期連結累計期間(23年4〜12月)業績によると、売上高5,965億25百万円(前年同期比6.2%減)、経常利益1,351億46百万円(同24.0%減)、親会社株主に帰 属する四半期純利益983億40百万円(同24.2%減)となった。
第3四半期連結累計期間におけるファナックグループを取り巻く状況については、サプライチェーンにおける半導体等の部品の不足による生産活動への影響は落ち着いたが、世界的なインフレや高金利による景気減速の懸念、為替変動による影響等により先行き不透明な状況が続いた。 加えて、2022年度下期から続く在庫調整が生産への影響を及ぼした。このような厳しい状況が続く中、ファナックでは業績への影響を最小限にとどめるべく、セールス、 研究開発、工場、サービス、事務、全ての部門の総力を挙げて取り組んだ。
■部門別の概況
<FA部門>
FA部門については、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、国内を含む世界各国で減速傾向がみられ、同社のCNCシステムの売上も減少した。
FA部門の売上高は 1,340 億 44 百万円(前年同期比 30.2%減)となった。
<ロボット部門>
ロボット部門については、欧米共に前期からの受注残により、EV 関連向けおよび一般産業向け共に堅調で売上が増加した。中国では、好調だった EV関連向けが若干下降気味で売上が減少した。インドでは、自動車関連向け、一般産業向け共に好調で売上が増加した。国内では、自動車関連向けで回復傾向が見られており、売上が増加した。
これらの結果、ロボット部門の売上高は 2,900 億 80 百万円(前年同期比 12.9%増)となつた。
<ロボマシン部門>
ロボマシン部門については、ロボドリル(小型切削加工機)では、米州および中国での需要の落ち込みにより、売上が減少した。
ロボショット(電動射出成形 機)では、IT 関連、医療市場向けの需要が落ち込み、売上が減少した。ロボカ ット(ワイヤ放電加工機)では、欧米での需要の落ち込みにより、売上が減少した。
これらの結果、ロボマシン部門の売上高は 761 億 79 百万円(前年同期比 26.9% 減)となった。
<サービス部門>
サービス部門については、「サービス ファースト」をキーワードに、サービス体 制の強化、IT 技術の積極的な導入による効率アップ等を進めている。
サービス部 門の売上高は 962 億 22 百万円(前年同期比 16.0%増)となった。
■連結業績予想に関する説明
在庫調整による生産への影響が継続することが見込まれるものの、第2四半期決算 発表時点の予想よりも業績が堅調に推移したことから、2024年3月期通期の業績予想を以下のとおりとした。
売上高7,715億円(前期比9.4%減)、営業利益1,322億円(同30.9%減)、経常利益1,676億円(同27.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,226億円(同28.1%減)。
2024年1月から3月までの期間における為替レートは、 平均135円/ドル、145円/ユーロを想定している。
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