三菱重工、関西電力姫路第二発電所にCO2回収パイロットプラントを新設

・CO2回収技術の研究開発を促進し、さらなる競争力強化を図る

・既設パイロットプラントに代わり新設、2025年度の稼働を目指す

・エクソンモービルと共同開発中の次世代CO2回収技術開発を加速

 三菱重工業は1月17日、関西電力と、兵庫県姫路市にある関西電力姫路第二発電所にCO2回収パイロットプラントを設置することで合意したと発表した。1991年に関西電力南港発電所(大阪市住之江区)に設置した既設パイロットプラントに代わり次世代のCO2回収技術を検証する新たな試験設備を設けるもので、2025年度の稼働開始を目指す。

 このパイロットプラントでは、発電所にあるガスタービンからの排ガスを用いてCO2回収技術の研究開発を行う計画で、回収能力は約5トン/日となる予定。2022年にエクソンモービル(ExxonMobil)と合意した提携(注)に基づき共同開発中の次世代CO2回収技術を実証し、環境負荷低減およびコスト削減に向けた研究開発を加速するとともに、さらなる競争力強化を図る。

 また、三菱重工のデジタルイノベーションブランドである「ΣSynX(シグマシンクス) Supervision」の遠隔監視システムを実装することで、新設するパイロットプラントの運転状況の監視やプラントの起動・停止操作を、三菱重工横浜ビルをはじめとする遠隔地の各拠点から実施可能とする。

 三菱重工グループは2040年のカーボンニュートラル達成を宣言し、エネルギー需要側・供給側の脱炭素化に戦略的に取り組んでいる。このうちエネルギー供給側の脱炭素戦略である「エナジートランジション」における柱の1つが、多種多様なCO2排出源と貯留・利活用をつなげるCO2エコシステムの構築。引き続き、独自のCO2回収技術を活用したCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)事業を強力に推進するとともに、ソリューションプロバイダーとして温室効果ガス排出削減に地球規模で貢献し、環境保護に寄与するソリューションの開発をさらに進めていく。

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