キッコーマンは1月11日、米国の製造会社、キッコーマン・フーズ社(略称KFI、本社:ウィスコンシン州ウォルワース)の新工場をウィスコンシン州内に建設することを決定したと発表した。
新工場は、1973 年に出荷を開始したウィスコンシン工場、1998 年に出荷を開始したカリフォルニア工場に次いで米国内で3ヵ所目となり、キッコーマングループの海外における9ヵ所目のしょうゆの生産拠点となる。
投資額は10年間で約560百万ドル(約800億円)を見込んでいる。
キッコーマングループは、2018年に策定した長期ビジョンである「グローバルビジョン2030」の目指す姿の第1に、「キッコーマンしょうゆをグローバル・スタンダードの調味料にする」ことを掲げている。北米のしょうゆ事業は成長を続けており、現在、米国の家庭用しょうゆ市場において、キッコーマンしょうゆはシェアNo.1の地位を築いている。
また、テリヤキソースやクッキングソースなど、しょうゆをベースとした調味料の拡充にも注力し、キッコーマングループのブランド力を活かした事業を展開している。
事業の成長に伴い、ウィスコンシン工場は順調に出荷量を伸ばしてきた。新工場は、拡大を続ける北米のしょうゆ市場の需要に対応するとともに、顧客のニーズに合わせた多品種生産を実現するため、生産効率性、拡張性に加え、柔軟性を兼ね備えた持続可能な次世代型工場を目指す。これにより、キッコーマングループの海外事業における最大の市場である北米において、より安定的な供給体制の確立に努めていく。
新工場の建設において、以下の取り組みを行う。
・最新鋭の作業システムを導入し、機動的なモニタリングと遠隔指示を可能にすることで、工場管理の効率化と労働生産性の向上を図る。
・隣接する倉庫にAI・IoTを活用した自動化技術を段階的に導入し、倉庫スペースの有効活用に加え、ウィスコンシン工場との連携により、物流体制の効率化を目指す。
・省エネに配慮した設備を導入し、再生可能エネルギーの積極的な利用により、CO2排出量の抑制を図る。
ウィスコンシン工場は、2023年にグランドオープニングから50周年を迎えた。
キッコーマングループは、次の50年を見据えて、これからも顧客のニーズに合った高品質な商品やサービスを届け、地域社会に根ざした「良き企業市民」として積極的に活動していく。そして、食文化の国際交流をすすめるとともに、「グローバルビジョン2030」で掲げる「新たな価値創造への挑戦」の歩みを加速していく。
<キッコーマン・フーズ社 新工場概要>
所在地:米国ウィスコンシン州
建設開始時期:2024年3月(予定)
出荷開始時期:2026年秋(予定)
生産品目:しょうゆおよびしょうゆ関連調味料等
投資額:10年間で約560百万ドル(約800億円(*))(予定)
※2024年3月期連結業績予想の為替レート[142.66円/ドル](2023年11月2日発表)から算出
<キッコーマン・フーズ社 会社概要>
社名:キッコーマン・フーズ社(KIKKOMAN FOODS, INC.)
設立:1972年3月
株主:キッコーマン株式会社(100%)
従業員:234人(2023年3月末日現在)
事業内容:しょうゆおよびしょうゆ関連調味料の製造
生産拠点:ウィスコンシン工場、カリフォルニア工場
代表:辻 亮平(キッコーマン・フーズ社 社長)