富士通ゼネラル、パワーモジュールの生産拠点を拡大し、安定供給に貢献

・ODT(大分市)工場内に生産ライン

 富士通ゼネラルグループの電子デバイス事業を担う富士通ゼネラルエレクトロニクス(FGEL)は、パワー半導体の需要拡大を見据え、パワーモジュールの増産と安定供給に対応すべく生産拠点を拡大すると発表した。大分県大分市にある大分デバイステクノロジー(ODT)を協力工場とし、ODTの工場内に新たな生産ラインを開設する。

 新たな生産ラインでは、主に家電や産業機器向けの中電力容量帯のパワーモジュールを取り扱い、生産台数は月産6万台を見込んでいる。2024年4月からの本格稼働を目指し、IGBT IPMの量産試作・評価を推進中。なお、岩手県一関市にあるFGEL本社工場は、今後マザー工場としての機能を強化していく。

 今回の生産拠点拡大は、パワーモジュールの安定的な供給体制の構築を目的としている。近年、電気自動車など車載分野の需要が急速に高まる一方で、家電や産業機器分野では依然として供給不安が懸念されている。FGELは得意とする先行製品との性能合わせ込みや、基板を変えずにモジュールの入れ替えのみで仕様変更に対応するセミカスタム化をもって、これらの分野をターゲットに拡販を進めていく。

 また、BCPの観点からも複数拠点化を推進する。岩手県と大分県に生産ラインを構えることで、災害や部品供給のひっ迫が発生した際なども相互の生産移管を可能とし、事業の継続性を確保する。

 今後さらなる生産拠点の拡張を検討するほか、富士通ゼネラルの空調機に搭載するパワーモジュールについても内製化を加速させていく予定。

 富士通ゼネラルグループは事業活動を通じて顧客とともに持続可能な社会の実現へ貢献することを目指す「サステナブル経営」を推進し、重点テーマの1つに「地球との共存」を掲げている。電力を効率よく制御するパワーモジュールの開発と提供を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していく。

<新生産ラインの概要>
所在地 : 大分県大分市大字野津原1660番地(大分デバイステクノロジー株式会社内)
投資額 : 8億円
生産品目 : 家電や産業機器向けの中電力容量帯パワーモジュール

 ニュースリリース