● 年頭所感 (2024年) コベルコ建機株式会社 代表取締役社長 山本 明

 年初にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

 昨年は、新型コロナウイルスが5 類に移行したことで人々の生活にも徐々に活気が戻り、人と人が対面で会えるようになるなど明るい兆しが見えてきた1年であったと思います。一方で、ウクライナ問題をはじめとする不安定な世界情勢や中国経済の低迷、物価高騰など依然として予断を許さない状況は継続しております。

 当社はこのような状況に対処するため、中国市場依存からの脱却や高需要エリアに対する生産能力増強をはかるべく、2022 年4 月よりグローバル生産体制の再編に取り組んできました。

 2023 年7 月、大垣工場における第二組立塗装棟を稼働開始し、徐々にですが、既に再編効果が表れてきています。2024 年4 月にインド子会社の製缶能力を増強することにより、一連の再編は完了します。今後も「品質と品格」を経営の柱に、お客様が求める最高品質の製品を最適なソースからタイムリーに供給できるよう努めてまいります。

 2024 年は、建設業界にとって大きな転換点になります。かねてより建設業界は技能者の高齢化、若者のなり手の減少、長時間労働が課題となってきましたが、2024 年4 月に改正労働基準法の時間外労働の上限規制適用により、人手不足がより顕著となります。

 当社の「K-DIVE®」は、重機の遠隔操作システムと稼働データを用いた現場改善ソリューションです。安全で快適なオフィスから、場所や時間に制約されることなく現場作業が行えるので、生産性向上に寄与します。建設業界従事者はもちろん、従事してこなかった方でも活躍の機会が持てるようになることで人手不足を解消できると考えており、なお一層の普及に向けて活動していきます。

 加えて、カーボンニュートラル実現に向けた社会的な取り組みも益々加速していくと考えております。2023 年には、水素を駆動源にした燃料電池式電動ショベルの試作機を発表いたしました。建設現場や供給される駆動源、関連する法令やインフラの整備状況を注視しつつ、引き続きカーボンニュートラル実現に貢献できる建設機械の開発・提供に取り組んでいきます。

 「世界で最も信頼される建設ソリューション企業になる。」2024 年も、企業理念である「ユーザー現場主義」を大切にしながら、人にも環境にも優しい建機を世に送り出し、建設現場に安全、安心を確実にお届けすることを目標に掲げ、愚直に事業活動を行っていきます。

 皆様にとって、2024年が素晴らしい年でありますことを祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。

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