2024年を迎え、新年のご挨拶を申し上げます。
年頭のあいさつを始めるにあたり、まずは、新年早々に起こった令和6年能登半島地震および羽田空港での航空機事故で犠牲となられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様、事故に遭われた皆様へ心からお見舞い申し上げます。
昨年は、5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが変わり、私たちの生活はコロナ禍前の状態に戻りつつあります。一方、ロシアによるウクライナ侵攻は一年を超え、米中対立の激化や中東情勢の緊迫化など、世界経済の先行きはさらに不透明感が増す一年になりました。また、日本を含む世界各地で起きた夏の猛暑や豪雨などの異常気象を見ると、持続可能社会への対応は待ったなしと言えます。
当社は、昨年4月、純粋持株会社体制から事業持株会社に移行し、社名も「三井E&S」として新たなスタートを切りました。新体制の下で経営と事業を一体化し、求心力を高めるとともに、戦略立案・実行のスピードを速めて、成長戦略を加速させていきます。
新体制が始まり、9か月が経過しましたが、年頭にあたって改めて当社グループの現状と、皆さんにお願いしたいことについて、お話ししたいと思います。
■「当社グループの置かれている現状について」
昨年度は、2019年度から始まった「三井E&Sグループ事業再生計画」の仕舞い付けの年であり、2022年度は6期ぶりに営業利益、経常利益、最終損益の黒字化ならびに普通株式の復配ができました。ようやく普通の上場企業に戻ろうとしています。このような状況下、新生三井E&Sがスタートしましたが、今後は株主や金融機関等のステークホルダーの皆さんに、新しく生まれ変わった姿を結果として継続的に示していかねばなりません。23短計の利益目標の必達のため、断固とした決意で臨んでいきたいと思います。
■「体制や制度改革について」
事業持株会社体制への移行のタイミングは、会社が大きく変わることのできるチャンスと捉え、様々な体制や制度の改革を行いました。昨年6月に、経営チームをよりコンパクトに、筋肉質にする狙いで、監査等委員会設置会社へ移行しました。これにより、意思決定のスピードや機動性の向上、事業戦略およびリスクのある案件について、より深い議論を行う環境を整えることができました。人事制度についても2004年以来およそ20年ぶりに刷新しました。今回の改革では旧態依然とした年功序列的な要素が色濃く残る制度から、個々の業務に合わせたジョブ型の要素の強い制度に変更しました。従業員一人ひとりが取り組んだ結果が全社戦略のどこにつながっているのかを明確にし、その結果を正当に評価する仕組みとすることで、個々人の仕事の結果が自分の次のステップアップにつながる、その道筋が見えやすい制度になりました。個々人の成長と会社の成長がしっかりとリンクし、つながっていくことを期待しています。
今年からローテーション制度が本格的に始まります。私自身、違う環境に身を置くことで学んできたことが多く、異なる環境に置かれた時に真の実力が試される経験をしてきました。個々の専門性に加えて異なる環境で経験を積み、真の実力を発揮できる人材となってくれることを期待しています。
■「成長戦略の早期実現について」
当社自身の変化と、当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化していることから、2022年度より一年前倒しで2023中期経営計画をスタートしました。この中計で第一に取り組まなくてはならないのは、足下をしっかり固めること。即ち、私たちの強みである舶用エンジンと港湾クレーンの分野を、グリーンとデジタルという切り口で付加価値をつけながら、さらに強くしていくことです。また、舶用エンジン、港湾クレーンに続く第三の柱を育てることも重要です。成長事業推進の分野でも、グリーンとデジタルのキーワードで、各種産業用機械を軸として次世代エネルギーサプライチェーンへの製品・サービス提供、人手不足に対する社会インフラ整備事業への参入、モニタリングによる弊社各製品のメンテナンスビジネスに取り組んでいます。
今年は23中計折り返しの年です。各事業部、グループ各社、各組織が描いた成長戦略・グランドデザインに沿って活動し、それぞれの重点課題を早期に解決し、私たちの強みを見える形で示していかなければいけません。
■「従業員皆さんへお願いしたいこと」
事業環境の変化はますます激しくなっており、その中で当社グループが持続的に成長するには創造性とスピードを高めて欲しいということです。既存の枠組みにとらわれない柔軟な思考と多様な視点を持ちながら、アイデアを具体化するためのスピード感を持つこと。もちろん、そこにはしっかりとしたグランドデザインが必要であり、マーケットインの視点で実現可能な新しいビジネスのアイデアをどんどん出してほしいと思います。
会社の持続的成長と企業価値向上のためには、皆さん一人ひとりが熱いマインドで仕事に取り組み、提供する製品・サービスが社会課題の解決に貢献すること、その積み重ねが大事であると考えています。
■「安全衛生」、「コンプライアンス」について
安全衛生は当社にとって最優先事項です。皆さん一人ひとりが自身の作業の中で安全意識を習慣付け、危険予知能力を高め、安全第一でお願いします。また、メンタルヘルスも、皆さん自身でのセルフケアをお願いするとともに、職場ラインでもケアを心掛け、早期発見・適切な対応をお願いします。
また、コンプライアンスについては、その意識が月日の経過により薄れていきがちですので、定期的にリマインドすることが大切です。常にセルフチェックを行うとともに企業人として適切な行動をとることを心がけて下さい。
■結びに
今年は、成長戦略で蒔いた種が大きく成長する年になるよう、全員一丸となって、社会課題の解決策を提供するという使命感を持ち、「エンジニアリングとサービスを通じて、人に信頼され、社会に貢献する」仕事をしていきましょう。
※グループ会社を含む従業員全員に向けて新年挨拶の要旨。
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