日本板硝子(NSG)、米国で太陽電池パネル用ガラス生産設備を新設

 日本板硝子(以下 NSG)は11月 30日、成長する太陽光発電市場を支えるため、米国において太陽電池パネル用透明導電膜(Transparent Conductive Oxide、以下TCO)ガラス製造設備の新設投資を計画していると発表した。

 この計画は、NSGグループの一員であるPilkington North America, Inc.(以下PNA)の米国オハイオ州ロスフォードにあるフロート窯でオンラインコーティング設備を新設するもので、2025年第1四半期に太陽電池パネル用TCOガラスの出荷開始を予定している。

 この投資は、NSGグループと長期にわたる戦略的パートナーであるファーストソーラー社の生産拡張方針に沿って進められるものであり、生産されたガラスは同社の米国内の太陽電池パネル製造拠点に供給される。ファーストソーラー社は米国の大手ソーラーテクノロジー企業であり、環境効率の高いソーラーモジュールのグローバルプロバイダー。同社は2026年までに太陽電池パネルの生産能力を年産14GW(ギガワット)の規模まで拡張することを計画している。

 NSGグループでは、ファーストソーラー社をはじめとする太陽電池パネルの世界的な需要増大に対応するため、2020年1月にベトナムで2窯目の太陽電池パネル用ガラスの専用フロートラインを稼働させたほか、同年11月には、米国オハイオ州ラッキーでも新工場を稼働させている。最近では、マレーシアのジョホールバル工場にあるフロート窯でも改修工事が完了し、生産を開始する予定。製品はいずれもファーストソーラー社に供給されており、今回の米国での新設により、NSGグループにおける太陽電池パネル用TCOガラスの生産ラインは5つとなる。

 NSGグループでは、今後も増加が見込まれる太陽電池パネル用ガラスの需要に対応すべく、さらなる生産能力拡大に向けた検討を行う。

 NSGグループは、中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」に掲げる施策の一つとして、「高付加価値事業の拡大」を進めており、NSG独自のオンラインコーティング技術をベースとした太陽電池パネル用ガラスの拡大は、この取り組みの一環。

 このプロジェクトは、ファーストソーラー社の太陽電池パネルから生成されるクリーンな太陽エネルギーが増えることで、二酸化炭素の排出量を削減するというNSGグループの継続的な取り組みをさらに支援しており、地球環境保護に貢献する。

 今後も中期ビジョン「高付加価値の『ガラス製品とサービス』で社会に貢献するグローバル・ガラスメーカーとなる」の実現に向けた努力を続けていく。

■NSGグループ(日本板硝子株式会社およびそのグループ会社)について
 NSGグループは、建築および自動車用ガラスとクリエイティブ・テクノロジー分野で事業を展開する世界最大のガラスメーカーのひとつ。
建築用ガラス事業は、各種建築用ガラス、太陽電池パネル用ガラス等を製造・販売している。
自動車用ガラス事業は、新車用(OE)ガラスや補修用(AGR)ガラスの分野で事業を展開している。
 クリエイティブ・テクノロジー事業の主要製品は、プリンターやスキャナーに用いられるレンズ、タイミングベルトの補強材であるグラスコードを中心とした特殊ガラス繊維やガラスフレーク、およびファインガラス。https://www.nsg.co.jp

 ファーストソーラー社(First Solar, Inc. 本社:米国アリゾナ州)は、米国の大手ソーラーテクノロジー企業であり、気候変動への対処に貢献する環境効率の高いソーラーモジュールのグローバルプロバイダー。カリフォルニア州とオハイオ州の研究開発拠点で開発された同社の高度な薄膜太陽電池(PV)モジュールは次世代のソーラー技術であり、従来の結晶シリコン型の太陽電池パネルに代わる競争力ある高性能、かつ低炭素の製品を提供する。原材料の調達、製造から使用済みモジュールのリサイクルに至るまで、ファーストソーラーのテクノロジーへのアプローチは、人々と地球の持続可能性を体現している。 http://www.firstsolar.com

 ニュースリリース