・中国での競争力強化と南通市政府が進める揚子江の環境保全を見据え、既存工場の移転を実施
DIC(東京都中央区)は11月29日、100%子会社の南通迪愛生色料有限公司(中国江蘇省南通市、以下、南通DIC)が、南通経済技術開発区工業園区南区に新インキ工場の建設を開始したと発表した。新工場は2025年より生産を開始する予定であり、生産開始後は、現在、操業を行っている同園区の北区に位置する既存工場を閉鎖する予定。
■新工場建設の背景
南通DICは、2002年に中国江蘇省南通市で設立されて以降、現工場において、オフセットインキやグラビアインキを中心としたインキ製品の生産を行っており、中国国内におけるインキの重要生産拠点の1つとして操業を続けている。こうした中、2021年に南通市政府から、同工場が揚子江に近接していることを理由に、環境保全を目的とした移転の要請を受けた。この要請に対し、社内で検討を重ねた結果、同工業園区内の南区に南通市政府が提供する用地への移転を決め、11月より、新工場の建設を開始した。
■新工場建設のコンセプト・位置付け
今回の新工場は、生産プロセス・付帯施設の効率化を設計コンセプトとして広く取り入れている。一例を挙げると、主要品目のリキッドインキの生産現場においては、原料の仕込みや充填工程などに最新の設計を施し、生産ラインの自動化が図られる予定となっている。また、ユーティリティの面においても、最新のモーター、空調、照明設備などの機器を採用することで工場全体の省エネルギー化を実現し、生産効率を高めることで、コスト競争力が強化される見込み。
中国における総合インキ企業No.1に向けた基盤強化として、国内3拠点体制(華東・華南・華北/東北)の構築を進めるDICグループにとって、南通DICの新工場は華東地区の生産拠点の中心として、また、一部品目については中国全域のマザープラントとして、重要な役割を果たすこととなる。
<新工場概要>
所在 : 江蘇省南通市南通経済技術開発区化工園区南区
敷地面積 : 86,668m2
生産品目 : オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキなど
建設開始 : 2023年11月
稼働開始 : 2025年上期(予定)
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