・バリューチェーンビジネスの進化による更なる成長を図る
コマツは11月29日、国内において、ハイブリッド油圧ショベル用のキーコンポーネントであるキャパシタ(蓄電器)、インバーター(変換器)のリマン*(再生コンポーネント事業)を開始したと発表した。今後、海外のハイブリッド油圧ショベルの同コンポーネントについても、対象範囲を拡大していく予定。
コマツは、2008年に 世界で初めてハイブリッド油圧ショベルを市場導入し、燃費低減と顧客の現場のCO2排出量削減に貢献している。ハイブリッド油圧ショベルは、車体旋回の減速時に発生するエネルギーを、インバーターを介して電気エネルギーに変換し、キャパシタに蓄え、旋回駆動やエンジン加速時の補助エネルギーとして活用する独自開発システムを用いているが、従来、蓄電関連のコンポーネント修理については新品交換対応以外の手段がない状況だった。コマツは、コンポーネントを自社開発・生産する強みを生かし、顧客の現場で長期間稼働した建設機械から定期交換などで取り外したエンジン・トランスミッションなどのコンポーネントを、分解、洗浄、加修、部品交換、再組立、塗装、出荷検査などいくつもの工程を経て、新品コンポーネントと同等の品質・性能によみがえらせ、再生コンポーネントとして市場に再供給するリマン事業を展開している。
ハイブリッド油圧ショベルにおいても、顧客からの要望を受け、キャパシタ、インバーターのリマンを実現した。現在国内で販売・稼働しているハイブリッド油圧ショベル(HBシリーズ)に対応する。コマツのリマン事業にとって初となる電気系統のリマンスキームがラインナップに加わり、安価でコンポーネント修理が可能となることで、ハイブリッド油圧ショベルのトータルライフサイクルコストの低減に寄与するとともに、廃棄物やCO2排出量の削減など、環境負荷低減に貢献する。
コマツは、今後も顧客が新車を購入してから中古車として売却するまで安心して機械を使ってもらうために、新車販売後の部品販売やメンテナンス・修理といったバリューチェーンビジネスを進化させていく。
コマツは中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 に掲げている、ダントツバリュー(収益向上とESG課題解決の好循環を生み出す顧客価値の創造)を通じて、未来の現場に向けた次のステージに踏み出し、サステナブルな未来を次の世代へつないでいくため、新たな価値創造を目指していく。
※リマン:「再生」を意味する「Remanufacturing」の略語。
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