ヤンマーホールディングスが11月22日に発表した2024年3月期中間(4~9月)連結決算によると、売上高は5,288億円(前年同期比9.3%増)、経常利益は443億円(同17.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は294億円(同11.2%増)となった。特に北米・欧州での建設機械・発電機を中心とした海外売上高が好調に推移し、売上高・経常利益ともに過去最高を更新した。また、旺盛な海外市場での需要増加により、海外売上高比率は61.9%となった。
4〜9月期は、深刻な世界経済の後退は回避しているものの、ロ シアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学リスクの増大、世界的なインフレの進行、欧米各国の金融引締めにより世界経済の減速感が強まった。
■セグメント別の概況
<産業用機械事業>
同セグメントは、農業機械、建設機械、ガスヒートポンプ並びに常用・非常用発電機により構成。
農業機械の国内市場は、底堅い需要に支えられ、売上高は前年と同水準を確保した。海外市場は、トルコ、ブラジル等の新興国市場における需要の開拓により、売上高は前年度を上回った。建設機械の国内市場は、前年と同水準の売上を確保した。海外市場は、北米・欧州市場の旺盛な需要もあり、増収を達成した。ガスヒートポンプならびに発電機は、国内は前年とくらべ堅調に推移した。海外市場では、エネル ギー需要の高まりにより発電機販売が好調に推移した。
<内燃機関及び関連機器事業>
同セグメントは、産業用エンジン、舶用エンジン、コンポーネントにより構成。
小形産業用エンジンは、売上高は前年とほぼ横ばいの水準となった。舶用エンジンは、堅調な海運市場を背景とした建造需要と、メンテナンス需要を取り込み、前年に比べて増収となった。トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントは、北米における需要の減退を受け減収となった。
■2024年3月期の連結業績見通し
第3四半期以降については、グローバル経済の減速の影響により、取り巻く事業環境が徐々に厳しさを増すことが懸念される。これらの状況を踏まえ、2023年6月22日に公表した2023年度の業績見通しを、売上高は1兆600億円(前期比3.7%増、前回予想1兆800億円)、営業利益500億円(同3.9%増)、経常利益は600億円(同3.0%減、同500億円)、親会社株主に帰属する当期純利益370億円(同11.9%減)に修正した。
業績の見通しの前提となる為替レートについては、1米ドル=140 円、1ユーロ=150円を想定している。
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