栗田工業、使用済紙おむつの分別処理装置「クリタサムズシステム」の事業展開を開始

 栗田工業は11月21日、循環型経済社会構築の実現に向け、使用済紙おむつの分別処理装置「クリタサムズシステム(R)」の本格的な事業展開を開始したと発表した。

■装置の概要
 日本国内では、使用済紙おむつは主に一般廃棄物として廃棄物処理業者や地方自治体などの焼却施設で処分されている。また、今後は高齢化社会の進行等による廃棄物量の増加が予測されている。同装置は、従来焼却処分されていた使用済紙おむつを殺菌・洗浄・分解し、プラスチック類とパルプ類に分別し再資源化を可能にするもので、同装置の適用により廃棄物量や焼却に伴うエネルギー消費量、CO2排出量の削減が見込める。

■実用化までの経緯
 同社は「水と環境」の事業領域で培った知見・ノウハウを活かして同装置の開発を進め、環境省による実証事業を通じて性能の検証を重ねてきた。その結果、現場での実機試験により使用済紙おむつのプラスチック類とパルプ類への分別と、分別したプラスチック類をパレット等のプラスチック製品として再資源化できることを確認した。また、同装置を用いた再資源化により、焼却処分と比較し約40%のCO2排出量削減効果が得られた。

■1号機の受注
 同社は同装置の本格的な事業展開を開始し、廃棄物処理関連業者である㈱BEaR(愛知県名古屋市)より1号機を受注した。

 再資源化やCO2排出量の削減に加え、装置の特長である破袋機能により、衛生面の改善や作業効率の向上を実現できる点が評価された。

 詳細は、ニュースリリース