パナソニック、「廃家電自動解体システム」を開発、次世代リサイクルの実現に貢献

・業界初、投入から部品ごとの解体まで一貫処理可能

 パナソニック株式会社くらしアプライアンス社(以下、パナソニック)は11月16日、パナソニック プロダクションエンジニアリング(PPE)、および平林金属の協力の下、使用済み家電製品の解体作業のさらなる効率化を目指し、「廃家電自動解体システム」を開発したと発表した。家電製品のリサイクルにおいて、投入から部品ごとの解体まで一貫処理可能なシステムとして、業界初となる。

 パナソニックグループでは、「より良いくらし」と「持続可能な地球環境」の両立に向け、長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」を掲げ、CO2排出量の削減及びサーキュラーエコノミーの実現を目指し、事業活動に取り組んでいる。取り組みの一環として、本件のようなサーキュラーエコノミー型事業モデルの創出にも力を入れている。

 国内では、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)に沿って、使用済み家電製品(エアコン、テレビ(ブラウン管式及び液晶・プラズマ式)、電気冷蔵庫・電気冷凍庫、電気洗濯機・衣類乾燥機)のリサイクルが行われている。令和4年度に全国の指定引取場所において引き取られた使用済みの家電製品4品目は約1,495万台と高い水準を維持しているが、家庭から排出されるCO2削減を目的に地方自治体が実施する省エネ家電への買い替え促進キャンペーンや、昨今の世界的な循環型社会の実現への関心の高まりなどにより、今後ますますの増加が見込まれている。一方で、家電リサイクル工場においては、高齢化社会の加速による労働人口の減少や、繁忙期に集中する作業負荷などの課題を抱えており、長期にわたって安定的・継続的に家電リサイクルを行うための、さらなる作業の効率化が求められている。

 パナソニックは、20年以上にわたり、使用済み家電製品のリサイクルを事業として展開している。今回、家電リサイクル業界が抱える課題解決に向けて、手作業が多い解体作業の機械化というアプローチで技術開発に着手。PPE、および平林金属の協力により、今後、回収量の増加が見込まれるエアコン室外機に焦点を当てた「廃家電自動解体システム」を開発した。部品ごとに解体品位を維持したまま、解体工程で最も時間がかかる室外機カバーからコンプレッサー外しまでの工程を自動化することで、より安定的・継続的な家電リサイクルを実現する。

 今後、パナソニックは、同システムの実証評価を進めるとともに、解体対象の使用済み家電製品の拡大も視野に入れながら開発を推進し、さらなる資源循環に向けて貢献していく。

 詳細は、ニュースリリース
 *リリース内容から「ですます調」で表記しています。